「全員が敵に…」八戸学院光星エースが東北福祉大へ

サヨナラ打を打たれ、がっくりする八戸学院光星の桜井

 八戸学院光星(青森)のエース右腕・桜井一樹(3年)と4番益田敦成内野手(3年)が仙台6大学の東北福祉大に進学することが7日、分かった。

 今夏の甲子園、東邦(愛知)との2回戦で喫した最大7点差から逆転サヨナラ負けを糧に、仲井宗基監督(46)の母校で経験を積んで4年後のプロ入りを視野に入れる。

 この夏の東邦戦で、桜井は悲劇のヒーローになってしまった。9-5の9回裏。相手ブラスバンドの爆音が響く中、球場全体がタオルを回し、手拍子に包まれた。中学の群馬・高崎ボーイズ時代、NOMOジャパンでともに米国遠征を経験している相手4番藤嶋健人投手(3年)を抑えて2死まで持ち込むも、その後4連打を浴びて力尽きた。試合後、桜井が放った「全員が敵に見えた」という言葉は、壮絶なサヨナラ負けのすべてを物語っていた。赤く目を腫らしながらも「野球は続ける」と宣言していた。

 171センチで上背こそないが、最速139キロの直球に、キレのあるスライダーを織り交ぜる。相手を見下ろす強気な投球が身上で、2年秋からエースを任された。今春から2季連続で甲子園に出場。4番の益田とチームをけん引し、両大会で1勝を挙げた。高校通算19本塁打の益田は兵庫・尼崎市出身。中学の伊丹シニア時代はチームの先輩にあたる巨人坂本に重ね「坂本2世」と呼ばれる逸材だった。光星では2年秋から正三塁手に定着。勝負強い打撃と長打力が売りだ。

 ともに中学2年時に、ロッテ田村、阪神北條の春夏連続準優勝を見て、親元を離れて光星に進学してきた。活躍の場を大学に移しても、目標は変わらない。憧れのプロ入りを目指して、ひたすら己を鍛え続ける。