清宮弾「日本のベーブ・ルース」とメジャースカウト

カナダ対日本 5回裏日本2死、本塁打を放つ清宮(撮影・鈴木みどり)

<U18W杯:日本4-6カナダ>◇8日(日本時間9日)◇スーパーラウンド◇カナダ・サンダーベイ

 高校日本代表の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が、今大会2本目となる高校通算111号本塁打を放った。5回2死から中堅に1発を放ったが、チームは敗戦。すでに進出を決めた米国との決勝戦には、日本時間10日未明の韓国戦の勝利が絶対条件となった。

 5回2死、清宮が描いた放物線は逆風をものともせず、中堅のフェンスを越えた。今大会2本目となる高校通算111号は「自分の形で振れたのがすごく良かった」と復調を予感する1発。南アフリカ戦で1発を放ったが、「あまりしっくりときていなくて…。最高の自分ではなかった」と試合前の練習から、左足に体重を残すことを意識し、修正した成果を示した。

 ネット裏から視察したメジャースカウトも、感嘆の声を上げた。北砂リトル時代の世界大会で特大の1発を放ち「和製ベーブ・ルース」と米国で特集されたことに触れ、「日本のベーブ・ルースだね」と称賛。清宮は「気にしていなかった」と振り返ったが、地元カナダの応援で盛り上がった内野スタンドを一瞬で沈黙させた。

 「KIYOMIYA」の名が、カナダでも脚光を浴び始めた。6日の練習では地元のラジオ局のリポーターが取材に訪れたが、この日は「清宮ファン」と称するカナダ人男性が2日連続で出現。試合前練習後にサインを求められた。男性は「大会前から彼のファンなんだ。彼はベーブ・ルースだ」と興奮した。

 清宮の1発で勢いに乗ったかに見えたが、守備のミスから逆転負けを喫した。これで1次ラウンドとの結果も含めた、2次ラウンドの成績は2勝2敗。3大会連続の決勝進出には、日本時間10日未明の韓国戦での勝利が必須となる。日本、2勝2敗のカナダ、3勝1敗の韓国との3チームで、4連覇を目指す米国への挑戦権が争われる。【久保賢吾】

 ▼清宮が今大会2本目の本塁打。日本がU18W杯に高校代表で臨むのは04、12、13、15年に次ぎ今回が5度目だが、本塁打2本以上は12、13年の森友哉(大阪桐蔭)に次いで2人目。1大会2本は初めて。

 ◆スーパーラウンド 1次ラウンド(R)A、B組の上位3チームが進出。別組の3チームと対戦し、上位2チームが決勝へ、3、4位は3位決定戦に進む。順位は1次Rで対戦した同組チームとの対戦成績を含め、計5試合分で決める。

 ◆日本の決勝進出条件 4戦全勝の米国が決勝に進出。日本が決勝に進むには9日(日本時間10日未明)の韓国戦に勝つことが条件。日本と韓国が3勝2敗で並んだ場合は直接対決の結果で日本が進出。カナダも並ぶと3チーム間の得失点率差、得失自責点率差、チーム打率の順に比較する。