地元ラブな藤岡中央など全9校公立 21世紀枠候補

センバツ21世紀枠候補9校

 日本高野連は15日、第90回選抜高校野球大会(来年3月23日から13日間・甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。9校すべて公立校で、関東・東京は藤岡中央(群馬)、近畿は膳所(滋賀)が選出された。藤岡中央は、同じ中学出身のエース門馬亮投手と下田匡希主将(ともに2年)を中心に地元の絆で候補入り。出場3校は、一般選考の33校(神宮大会枠を含む)とともに、来年1月26日の選考委員会で決まる。

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 広島~大阪、3泊4日の修学旅行のフィナーレは、21世紀枠候補の発表だった。新幹線を降りた東京駅からバスで群馬の藤岡まで移動。学校に着くと、古平一貴監督(33)から候補に選ばれたことを聞いた。下田主将は「まだ藤岡市から甲子園は1度もないんです。うれしいけど、これからが勝負。明日から修学旅行気分は忘れ、練習します」と表情を引き締めた。

 下田は「地元を盛り上げたい」と、地元の同校に進んだ。藤岡北中でも主将で、3年夏は県4強になった。「進学を考えて富岡や高崎の高校に行こうか」と悩んだ時期もあったが、クラブチームで硬式をやっていた同じ中学の門馬と、高校野球をすることに魅力を覚えた。門馬を口説き落とすと、中学の仲間も集合した。21人の部員のうち8人が藤岡北中だ。家まで自転車で5分。下田は「夜も9時まで練習しても、9時半には家にいます。朝練もやりやすい。時間を有効に使えます」と地元進学のメリットを強調した。

 その門馬は、入学時に最速128キロだった直球が143キロまでスピードアップ。今秋県大会では準々決勝で、県内公式戦33連勝中だった前橋育英を撃破。延長14回11奪三振の完投だった。「9校から3分の1になれるように、明日から投げ込みます」と門馬。地元の絆が、藤岡の歴史をつくる。【金子航】

 ◆県立藤岡中央高校 2005年(平17)に新設された共学校。生徒数は614人(男子290人)で2学年から理数科、普通科進学クラス、基礎教養クラスに分かれる。野球部は05年創部。部員は女子マネジャー含む24人の少数精鋭。群馬県藤岡市中栗須909。市川敏美校長。