中央学院・大谷「勝ち急いで」直球選びサヨナラ被弾

 中央学院(千葉)・大谷拓海投手(3年)は明徳義塾(高知)の校歌を聞き、涙が止まらなかった。「あの1球で校歌が逆になっていたかもしれないと思うと悔しい。甘い球を打たれて後悔でいっぱい」。5-4の9回裏2死一、二塁。8回に味方が試合をひっくり返した直後だった。「勝ち急いでしまった」。4番谷合に投じた135球目。ベンチのサインは変化球だったがバッテリーは直球を選び、バックスクリーンへ運ばれた。

 勝負をかけた「自信のある球」は威力、制球ともに本来のものではなかった。最速145キロを誇る直球は、140キロ出すのがやっと。コーナーを意識しすぎて四球を出し、高めに浮いたところを狙われて初回に3失点した。この冬にスリークオーターから肘を上げるフォームに変更したが、右腕を振り何度も確認する場面が見られた。

 「4番大谷」ではなく「1番大谷」で先発した。相馬幸樹監督(38)は「最初で最後。一番いい選手を1番に置いてインパクトを与えたかった」と説明。思惑通り初回先頭で右前打を放ったが、結果にはつながらなかった。大谷は「直球も制球も全国で通用しなかった。もっと腕を振って切れが出るよう練習する。また甲子園で明徳と当たりたい」。通算25本塁打の「二刀流」が悪夢を振り払い聖地に舞い戻る。【和田美保】