静岡・春「勝って送り出したい」大石部長に恩返しだ

大石部長(前列左から2人目)と桜の下で笑顔で記念撮影に納まる静岡の3年生

 第90回選抜高校野球大会(甲子園)3回戦が今日29日、行われる。2年連続17度目出場の静岡は、3年ぶりの8強進出をかけて第3試合(午後2時開始予定)で東海大相模(神奈川)と激突する。28日は兵庫・伊丹スポーツセンターで2時間の最終調整。4月1日付で掛川西に異動する大石卓哉部長(37)とともに戦う最後の試合を前に、同部長が内野ノックを放ち、ナインの気持ちが高まった。

 静高内野陣が今春一番の盛り上がりを見せた。練習の序盤、栗林俊輔監督(45)が内外野へのシートノックを終えると、ノックバットを大石部長に託した。

 「行くぞ!」。普段から内野のパート練習でノックを打っている大石部長は、大きな声で野手陣を鼓舞しながら約5分間、軽快にノックを放った。

 大石部長 打っちゃいました(笑い)。選手たちに機会をもらい、ありがたいです。これまでいろいろな人に支えられ、いい思いをさせてもらいました。明日もやってくれるでしょう。

 本来は予定になかったが、大石部長とともに戦う最後の試合を前に、「最後になるかもしれない」と内野手陣からノックを望む声が上がったという。成瀬和人三塁手(3年)は「大石先生にはお世話になったので、最後に打ってもらえてよかったです」。加茂翔太二塁手(3年)も「盛り上がりましたし、感動しました。いい感じに気持ちが高まりました」と笑顔で話した。

 投手陣にも気合が入る。24日の駒大苫小牧(北海道)戦で84球完封勝利を挙げたエース春翔一朗投手(3年)は、キャッチボール後にブルペンで10球を投げて感触を確認。「明日はいけるところまでいくつもりです。今日は野手陣も(大石部長から)ノックを受けて覚悟を決めたと思いますし、勝って送り出したいです」と意気込んだ。

 攻守でキーマンとなる2番捕手の黒岩陽介主将(3年)は「そりゃあ勝ちたいですし、大石先生と楽しく野球がやりたいです」。投打に好選手をそろえる東海大相模との対戦を目前に、気持ちを高めた静高ナイン。心身ともに最高の状態で「東の横綱」に挑む。【鈴木正章】