干渉しない佐藤ツインズ、最初で最後“共演”終わる

淵江対日体大荏原 ベンチから仲間に声援を送る淵江・佐藤健(右端)と佐藤潤(左端)(撮影・大友良行)

<半端ない夏>

 甲子園100回大会を迎える今年も、各都道府県の代表を目指す球児たちが熱い戦いを繰り広げています。困難に立ち向かう選手、チームを盛り上げるムードメーカー、彼らを陰で支える裏方さんや家族の存在は欠かせません。球児の数だけ物語がある。コラム「半端ない夏」がスタートします。

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 2人でスタメンに名を連ねた、最初で最後の夏が終わった。淵江の「8番右翼」に双子の兄佐藤潤(3年)、「9番捕手」に弟健(同)が並んだ。9点を追う6回。2死満塁で8番に打順が回ったが、適時打で2点を返したのは別の選手だった。兄潤は4回に打球を追って足がつり、既にベンチへ下がっていた。

 兄は「健より活躍したい気持ちが強かった。かなり悔しい」とうつむいた。弟とはほとんど野球の話はしない。家に帰れば互いにゲームに興じ、干渉はしない。野球を続けるか悩んでいた時も、弟には相談しなかった。そんな時、正捕手が野球部をやめた。主に一塁を守っていた弟が捕手に復帰した。兄は体中にアザを作って練習する弟を見ていた。「やめたいと思ったこともあったけど、3年間野球を続けてきて良かった」。弟と一緒に全うすることができた。

 そんな2人が、唯一タッグを組むのが「母の日」だった。今年は、母加代さん(50)に、2人でハンバーグを作った。自分たちが野球を続けてきた約10年間、「2人分のドキドキ」を抱えて試合を見てくれていたことを、知っている。「今日で野球は終わりだけど、母には本当に感謝しています」。2人は声をそろえた。佐藤ツインズは、ずっと同じ思いで野球を続けていた。【和田美保】