男子部員11人の大島(東東京)がエースのアクシデントに奮起し、コールドで初戦を突破した。4-0で迎えた7回、荒田奏斗投手(2年)が突然、右ふくらはぎの痛みを訴え、グラウンドに座り込んだ。痛みをこらえ、3者凡退に切り抜けると、打線がその裏、3点を奪い、コールドを決めた。春季大会は部員不足で不出場だった「島の子イレブン」が一致団結して2年ぶりの夏勝利をつかんだ。
荒田が7回のマウンドに走った直後だった。突然、座り込んでしまった。チームメートの肩を借りて、どうにかベンチへ下がった。男子部員11人。中堅にいた前田光春外野手(3年)が控え投手だが、荒田の姿に驚いた。「こりゃまずいと思いました。だって僕、なんにもやってないから、投げられないです」。
荒田はベンチで患部の右足の屈伸運動を行い、しっかり水を飲んで、5分後、マウンドに戻った。「まだ痛かったんですが、何とか投げられたんで。足がつった状態で急に(痛みが)きたんです」。気持ちを前面に、3者凡退で退けた。7回を被安打2、6三振を奪った。
それでも思わぬアクシデントで、勝負の行方は分からない。ここで打線が奮起した。先頭の山住魁斗遊撃手(2年)から3連続二塁打して2点。送りバントで1死三塁とすると、アクシデントに驚いた前田が中犠飛を放って、コールドを決めた。「早く終わらせないと、と思っていた。良かったです」。バットで自らの登板を回避した。
春は部員8人で、試合どころか練習もままならなかった。1年生が3人入部して、どうにか対外試合も可能になった。天野一道監督(49)は「自分たちの野球が東京でもやれるかどうかでした。選手は一生懸命やった。島内放送が流れていると思います」と話した。
2年前には4回戦に進出している。そのチームには荒田を支えた主将の諸田啓人捕手(3年)の兄涼斗さんがいた。「兄の成績を超えたいです」。島の子イレブンの2回戦は13日、神宮球場が待っている。【米谷輝昭】
◆大島野球部の成績 過去の最高成績は97年と06年にベスト8がある。97年は準々決勝で岩倉に3-7、06年は帝京に0-13で敗れた。06年の初戦(2回戦)では水元に44-0の記録的な勝利もある。昨夏は初戦(2回戦)で正則学園に6-7で敗退。昨秋は1次予選で雪谷に1-11で敗れていた。

