【甲子園】仙台育英・今野琉成「涙」は日本一で…延長送球ミスで敗退も「甲子園の借りは甲子園で」

16日、沖縄尚学戦前日、守備練習に励む仙台育英・今野(撮影・木村有優)

<真夏のライラック 東北編:仙台育英・今野琉成内野手(2年)>

<全国高校野球選手権:沖縄尚学5-3仙台育英>◇17日◇3回戦

夏の地方大会から本紙高校野球面で掲載してきた、敗れたチームにあるドラマにスポットをあてた企画「真夏のライラック」。今回は「東北特別版」として全6回に分けて連載する。第5回は仙台育英・今野琉成内野手(2年)。

   ◇   ◇   ◇

悔しさを越え、また強くなる。仙台育英(宮城)は3回戦で、優勝した沖縄尚学に敗れた。今野は今にもあふれ出しそうな涙をグッと堪えた。「みんなの前で弱い姿は見せたくない。来年、日本一になってうれし泣きをするまで、涙は封印する」。最後のあいさつで心に誓った。

1年春からベンチ入りし、同夏からスタメン。2年生になり、途中出場が多くなるも、守備が勝利のカギを握るとされた沖縄尚学戦では、甲子園初スタメンに抜てきされた。守備には自信はあったが、11回に送球ミス。「実力不足でした」と今野。それでも須江航監督(42)は「全部員の中で間違いなく守備力で勝ち上がった選手ですから、そのエラーを攻める理由は全くないです」と話した。

「どういう夏にしたいか」。夏開幕を前に須江監督から全員に問いかけがあった。今野は指揮官のもとに行き「甲子園に行けなければ、3年生と一緒に引退するくらいの決意で戦います」と覚悟を伝えた。「1年からスタメンで、3年生と同じくらい経験値はあったので、『今年で無理なら』という思いで臨みました」。この夏に懸ける思いは強かった。頂点の景色には届かなかったが、仙台育英として4季ぶりの甲子園出場で、止まっていた時計の針が動き出した。

「この経験を無駄にはしません。試合に出ていない下級生にも伝えて、甲子園を基準にした高いレベルで、今日、この瞬間から取り組んでいきたいです」。敗戦の瞬間から、仙台育英の次なる戦いを見据えていた。「甲子園の借りは甲子園でしか返せない」。この言葉を胸に刻み、歩き出した。【木村有優】

【甲子園】泣きじゃくる仙台育英エース吉川に「お前は泣くべきじゃない」支え続けた女房役・川尻