阪神鳥谷敬内野手(34)が、金本監督の打撃指導に今季1号で応えた。紅白戦に3番遊撃で先発し、5回無死三塁で右中間スタンドに2ランをたたきこんだ。鳥谷の能力からすれば20本塁打は可能と期待する監督が、自ら打撃指導を行ってきた今キャンプ。鳥谷自身も「しっかり捉えることができた」と成果の1本を残し、今日29日に充実のキャンプを打ち上げる。
チームをあげて「超変革」を目指したキャンプに、キャプテンが一撃で結果を残した。5回無死三塁で右中間スタンドに今季1号。「しっかり捉えることができました」と振り返った鳥谷に、金本監督は「差し込まれた感じだったが、押し込みがあったね。ボールとバットがくっついている時間が、今までより長く感じられたんじゃないかな」と顔を崩した。二人三脚で取り組んだ打撃練習が、宜野座への置きみやげの1発になった。
キャンプが始まって間もない2月4日、監督は鳥谷をつかまえた。左肘を左胸にぶつけるイメージで振る。右肩が開かずヘッドも走り、軸回転で打ち返せるようにするため。キャンプが中盤にさしかかった18日は、監督自ら打撃投手の球を打って飛距離アップへの手本を示した。押しも押されもせぬ阪神の「顔」に対し、“聖域”のない指導を続けた。身体能力、筋力の強さ、体の強さを含めた鳥谷のポテンシャル。シーズン20本塁打を残せる打者を本気で目指させた。
この日の1発で、今キャンプの打撃練習の成果を問われた鳥谷は「そういうふうに練習していますから」と応じた。報道陣とのやりとりを聞いていた浜中打撃コーチから「ベンチで、いつでもホームラン打てるって言ってたよな」と突っ込まれ「そんなこと言ってませんよ」と笑いながら首を振った。ただ「いつでも」は不可能でも、本塁打を量産できる打者への変身を求められ、期待されている。
「ヘッドを使って、左肘をたたんで、後ろの(左)肘を入れていく。いかにヘッドの力を使うか」を説いてきた監督は、この日の鳥谷の「押し込み」に手応えを感じた。キャンプは今日29日でフィニッシュ。いよいよ「超変革」の16年の最終準備に入る。【堀まどか】