日本ハム・ドラ6横尾が本拠初打点、2安打デビュー

日本ハム対巨人 2回裏日本ハム無死、中前打を放つ横尾(撮影・黒川智章)

<オープン戦:日本ハム2-10巨人>◇1日◇札幌ドーム

 本拠地初見参で、あいさつ代わりの複数安打だ。日本ハムのドラフト6位、横尾俊建内野手(22=慶大)が、1日の巨人とのオープン戦(札幌ドーム)に「6番DH」で出場し、2安打1打点と結果を残した。第1打席のオープン戦初安打に続き、4回には技ありの巧打で本拠地初打点。大学の先輩、巨人高橋監督の前で、積極的なフルスイングだけでなく、追い込まれてからの柔軟な対応を披露した。

 ふくよかなスマイルが、はじけた。横尾が、新風を吹かせた。4回2死二塁。巨人田口の外角低めへ沈むチェンジアップに、どっしりした肉体を投げ出した。バットを合わせ、軽快に振り抜く。白球を、ライナーで中前へ運ぶ。丸顔をクシャクシャにした。この日2安打目。オープン戦初の適時打で初打点も、反骨心満点だった。「ホッとしたとかいうことはない。自分にできることをやっていくだけ」とサラリと流した。

 眠らせたDNAが目覚めた。11年夏の甲子園を日大三の主砲として制覇。「楽をした打ち方をしていた」。高校通算58本塁打ながらスラッガーよりも、自覚は中距離打者に寄っていた。慶大3年時に思考を転換。左足に極端に軸を作るような、大リーガーのような強振へ、切り替えた。参考にしたのは12年3冠王のミゲル・カブレラ(タイガース)やマイク・トラウト(エンゼルス)ら、本場の右強打者。オープン戦初安打の2回の第1打席は力で直球を砕き中前へ。栗山監督が「全打席、素晴らしい。大アピール」と絶賛。力と技でマルチ安打達成と、二面性の魅力全開だった。

 慶応ボーイらしくない、たくましさで難局を乗り越えてきた。2月28日に沖縄から北海道入りし、てんやわんや。夏服しか携行しておらず、合宿所に隣接する大型商業施設へ向かった。ファストファッションの雄「ユニクロ」で冬服を購入し、しのいだ。外食するなじみの店は皆無。同施設内のチェーン店「餃子の王将」で空腹を満たした。「結果を出さないといけない自分を殺しながら、やっている。内容が良ければいい」。自然体でチャンスを、モノにしてきた。

 成り上がりの野望は、続く。キャンプ2軍スタートも、実戦でアピールを続け、この日で計25打数9安打。大学のあこがれの先輩巨人高橋監督が見守る前で、札幌ドームで鮮烈デビューした。「ホームラン打てなかったら、ちょっと恥ずかしいです」。フリー打撃前には少し不安を漏らしたが、フルスイングでスタンドインを連発した。「まだまだ課題はありますが、プロ野球の投手の140キロ台のボールの質を見ても、驚かない。これからも自分の打撃を貫きたい」。力を再確認し、自信はまた深まった。魅惑の新大砲を、開幕から配備できる予感が漂ってきた。【高山通史】