<オープン戦:オリックス4-7ロッテ>◇2日◇京セラドーム大阪
オリックス金子千尋投手(32)が、オープン戦初戦で左打者封じの「フロントドア」を解禁した。宮崎キャンプから含めて実戦2戦目となるロッテ戦は、先発して3回1失点。「点を取られたことより、投げたいところに投げられた印象が強い。打者の内角にある程度投げられたのは良かった」。内容重視のテスト登板を上々の出来で終えた。
中でも強烈なインパクトを残したのは、2回2死から肘井を空振りの3球三振に仕留めた勝負球。ツーシームが内角ボールゾーンからストライクに鋭く入ってきた。「フロントドア」と呼ばれる軌道で、金子はキャンプ中にブルペンで試投していた。あるチーム関係者は言う。
「ツーシームを左打者の外には投げていたけど、内角には投げてない。かなり有効。彼は常に進化ですから」。金子は昨年までの6年間、右打者より左打者の被打率が高い。精緻な制球力が可能にする新オプションは、左対策に絶大な効果を発揮しそうだ。
この1球について金子は「ご想像にお任せします」とニヤリとし「打者の反応は別として投げたいところに投げられたのは良かった」と続けた。満足そうな表情が手ごたえを物語った。
福良監督は「順調ですね。試すところは試して。課題を持ってやっていた」と絶賛。開幕投手を本人に告げたかと聞かれ「内緒です」とほのめかした。エース右腕は昨年、手術明けの影響で開幕に出遅れた。今年は2年ぶり大役が確実視される。【大池和幸】
◆フロントドア 打者の内角を外れた体に近いコースからストライクゾーンに入っていく球。スライダーやカットボール、カーブなど捕手のミットに入る直前に変化する球の動きを利用する。広島黒田がメジャーで習得して得意とし、巨人菅野は今春キャンプで習得に取り組んだ。打者の外角ストライクゾーンを外れたコースから入ってくる球は「バックドア」と呼ばれる。