<オープン戦:楽天1-8西武>◇3日◇倉敷
本家より先におかわりだ。西武の3年目、山川穂高内野手(24)が3日、オープン戦初戦の楽天戦で2打席連続アーチを放った。軽打での右前打もみせ、田辺徳雄監督(49)から求められた、強弱をつけた“ピアノ打法”を実践。入団時、中村をほうふつとさせる体形から「おかわり2世」と呼ばれた男が、指名打者争いに割って入りそうな気配だ。
まずはフォルテッシモ(とても強く)だった。3回、山川は安楽の145キロ直球をしばき上げ、左中間席へたたき込む1号2ラン。続く4回の第3打席は初球のカーブを振り切り、左翼ポール際にソロを運んだ。「コースは覚えてないですが、両方とも甘かったと思います。(1軍に)残るために必死。来た球を振るだけです」と力を込めた。
ピアノのように強弱をつけて打て-。年始に田辺監督と参加したトークショー。小学生から始めた特技のピアノ演奏を披露した。黒ぶちの眼鏡姿でクラシックの名曲「カノン」を華麗に弾いた後で言われた。
田辺監督 打撃は荒っぽい。いつもフォルテッシモではだめ。そのピアノみたいに強弱が必要なんだよ
大砲として期待されながら、昨季の1軍出場は、代打でのわずか1打席。山川は「上体の力だけで力んで打っていた」と振り返る。そこで勧められたのが、得意のピアノのように、力まない打撃の習得だった。
先頭で迎えた7回の第4打席、その“弱”を披露した。フルカウントから「何とか塁に出たいと思った」と、メゾピアノ(やや弱く)の柔らかいバットコントロールで右前打。外角低めのチェンジアップを拾い上げた。田辺監督も「何とか食らい付く気持ちが出た安打。(強弱は)多少出来てるね」と、うなずく一打だった。
キャンプ終盤に腰を痛め、A班(1軍)を一時離脱。「この先どうなるか、不安だった」と思いながらも、B班(2軍)キャンプ地の高知・春野では毎日1~2時間プールで泳ぎ、ケアに努めてきた。昇格即、結果が出たが「出させてもらえるならどこでもやる。少ないチャンスをものにしたい」と表情を引き締めた。
調子を維持すれば、「(開幕DHも)十分あり得る」(田辺監督)と評価された山川。時に強く、時に弱くのバットタッチが、1軍生き残りへ、フォルテッシモのアピールになる。【佐竹実】