<オープン戦:西武12-1オリックス>◇12日◇西武プリンスドーム
西武が「地の利」を生かして開幕カード前哨戦を制した。新人工芝となった本拠地で初めて行われたオリックス戦で投打に快勝。1回に秋山翔吾外野手(27)の盗塁を足掛かりに4点を奪うと、2回にはエルネスト・メヒア内野手(30)が1号3ラン。守備でも新たな人工芝の特性が出た。「空中戦&地上戦」の理想的な波状攻撃が、獅子の新スタイルになりそうだ。
秋山の足が波状攻撃の合図だった。1回に四球で出塁すると、続く栗山の初球に二盗を敢行。「自分の判断です。早いカウントから行こうと思っていた」という走塁で、昨季5戦で防御率1・21と抑えられていたディクソンに重圧をかけ、一気の4得点につなげた。
新たな人工芝が“援護”となった。今季から天然芝に近い「MS Craft Baseball Turf」をプロ野球の本拠地で初採用。1日のお披露目では、選手から「走りやすい」という声が相次いだ。この日の秋山は「そこまで感覚が研ぎ澄まされていないので」と謙遜したが、完璧なスタートを披露。「自分たちの中でアドバンテージにしていかないと。プラスになったと思う方が、精神的に有利になる」と力を込めた。
昨季4位からの巻き返しには、足がポイントだった。昨年の盗塁数66はリーグワースト。今季は積極走塁を促してきた。橋上作戦コーチは「どんどん走ってくれ、と言っている。今日のディクソンは(秋山の)盗塁後にクイックが速くなっていたが、制球に乱れが出ていた。仕掛けることで、打者への集中力が数%でもそげれば、有利な流れを呼び込める」。2回1死一、二塁から甘くなった速球を捉えたメヒアの1発しかり。足でかき回し、浅村、中村、メヒアで仕留める。1つの走塁が2回までに打者17人で8得点の着火剤となった。
守りでも新人工芝の効果が表れた。2回のT-岡田の遊ゴロは、これまでなら中前に抜けていた当たり。打球の勢いが、天然芝に近いクッション性で殺されていた。攻守における地の利を、どれだけ生かせるか-。本拠地で再びオリックスを迎える開幕戦。「空中戦&地上戦」の“新獅子スタイル”での快勝は、スタートダッシュへの最高の予行演習となった。【佐竹実】
◆MS Craft Baseball Turf ミズノと積水樹脂が共同開発。天然芝に近い、カールした形状が特徴で、耐久性とクッション性を両立させた。西武プリンスドームでは、08年シーズン前に張り替えて以来の変更。