日本ハム2位加藤、福留斬りで開幕1軍へ前進

阪神対日本ハム 7回裏、加藤は1球で福留を遊ゴロにしとめピンチを救う

<オープン戦:阪神0-1日本ハム>◇12日◇甲子園

 入魂の1球で、夢をかなえる扉をノックした。日本ハムのドラフト2位加藤貴之投手(23=新日鉄住金かずさマジック)が、開幕1軍へ近づいた。1点リードの7回2死一、三塁。栗山監督ら首脳陣から、試された持ち場だった。ピンチで福留を迎え、快投のメンドーサに代わって投入。不安要素を抱える左の中継ぎとしての新戦力候補が、適性テストに応えた。初球133キロ、内角直球。好打者を詰まらせて遊ゴロに仕留め、役目を終えた。「緊張はなかった」と強心臓で、満点回答した。

 胸を躍らせて勝負し、初めての聖地から歓迎された。千葉の名門・拓大紅陵のエース時代に目指し、届かなかった甲子園。初めて、あこがれのマウンドを踏んだ。「車(リリーフカー)に乗れて、うれしかった」。楽しむ心の余裕でも、試合の局面を任される中継ぎの資質を証明した。オープン戦3試合、計2回を無失点。ソフトバンク柳田、オリックス糸井らライバル球団にはキーマンで、実績ある左打者が居並ぶ。戦略上の対策として必須なワンポイントとしての可能性を、1球で示した。

 救世主になるための足場を固め始めた。宮西、石井の実績ある中継ぎ左腕コンビが調整遅れ。開幕に間に合うか微妙な情勢で、手薄なポジションを狙う。栗山監督は「内角への直球。ああいう勝負する姿が見たかった。加藤の本質が見られた」と絶賛した。開幕まで2週間を切り、1軍切符が現実味を帯びてきた。「もっと精度を高くできるように勉強して、やっていきたい」。野望へのラストスパートへ。加藤が、また加速した。【高山通史】