大谷魔の初回3失点 日本ハム開幕黒星5年ぶり

1回裏ロッテ無死、岡田の打球に飛びつく大谷(撮影・浅見桂子)

<ロッテ3-2日本ハム>◇25日◇QVCマリン

 2年連続の開幕戦勝利はならず。日本ハム大谷翔平投手(21)は25日、ロッテ戦(QVCマリン)で先発し、7回5安打3失点。初回に、この日の最速160キロを3球マークしたが、デスパイネと井上の適時打でいきなり3点を失った。2回以降は無失点で切り抜け、4者連続を含む9三振を奪ったが黒星発進となった。

 伸ばした左手から、ボールがこぼれた。グラブをはじいて転がった白球が、結果的に逃した白星を暗示していた。大谷が初回先頭の岡田へ投じた160キロ。大きくバウンドし頭上を襲った打球は、投手強襲の内野安打になった。「いい投手を相手にして、初回が大事だと思っていました。最初に取られたことが、後半に響いてくる」。結果的に1回の3失点がすべて。もしも、投ゴロで打ち取っていたら…。その先の未来は、変わっていたかもしれない。

 岡田の内野安打をきっかけに背負った1回2死三塁のピンチ。デスパイネに、浮いたフォークを中前にはじき返されて先制点を失った。2、3失点目も、甘く入ったフォークを井上に痛打されたもの。「フォークが高かった。1点で終わらせなければいけなかったです」。4回までに3与四球。制球に苦しんだ。

 千葉の遠征では毎年泊まるホテルだが、朝食会場の景色は違った。赤飯が置いてあり、トンカツやカツサンドが並んだ。開幕日は特別な日。雰囲気の変化が、自然と緊張感を高めた。「開幕だからかは分からないですけど、初回の難しさは感じました」。昨年に続き2度目の大役でも、平常心を保つことは容易ではなかった。

 それでも2回以降に許した安打は2本だけ。7回には鈴木、吉田、中村を3者連続三振に仕留め、続く8回の反撃へとつなげた。栗山監督は「あの状況で自分を引き戻した」。修正能力は評価した。

 キャンプ中から、開幕を見据えて努力を重ねた。練習後に行われるコーチ会議、大谷は首脳陣を驚かせた。投手メニューでブルペン入りした日のことだ。「個人練習でネットスローしてましたよ」という報告に、絶句する投手コーチ。「打撃練習してる姿は見たんだけど…」。その返答に言葉を失うのは、今度は打撃コーチだ。首脳陣の“目を盗み”、ボールを投げ、バットを振ってきた。すべては、シーズンで結果を残すためだ。

 次回登板は4月1日ソフトバンク戦(静岡)の見込み。それまでに、野手としての開幕も控えている。「しっかり切り替えて、明日以降勝っていければ」。取り返すチャンスは、いくらでもある。【本間翼】