広島会沢、執念の逆転満弾 猛攻12点火付け

5回裏広島1死満塁、会沢は左越えに満塁本塁打を放ちガッツポーズで生還

<広島12-5ヤクルト>◇5日◇マツダスタジアム

 逆転満弾! 広島会沢翼捕手(27)が1点を追う5回にプロ入り初の逆転満塁本塁打を放った。ヤクルト成瀬の内角直球に反応し、左翼スタンドに運んだ。チームも快勝で借金を完済。開幕10試合で5勝5敗とした。会沢が選手会長小窪哲也内野手(30)と目指す雰囲気も理想に近づいた。さあ今日から貯金を開始だ。

 かちこんだ。会沢はバットを放り投げ、一塁へ走りだした。1点を追う5回1死満塁。カウント1-1からの3球目。内角の直球だった。インパクトの瞬間から二塁走者新井は万歳していた。プロ入り初の逆転満塁本塁打だった。総立ちのスタンドに迎えられ、会沢はゆっくりと生還した。

 「打ったのは内角のストレート。執念です。執念だけで打ちました」

 1球に神経をとがらせ、先発野村を懸命にリードした。一番近くで力投を見ていた。何とかしてやりたい。チーム全員の思いを、女房役がバットに乗せた。全員がベンチで会沢を迎え、野村も小さくガッツポーズ。4回終了まで1安打も放てなかった打線がこの回一気に4得点。目指していたチームワークだった。

 「これでしょう」。キャンプ中、会沢は選手会長の小窪にスマートフォン(多機能携帯電話)を差し出した。「ソフトバンクの伝統」と書かれたページだった。オープン戦でも、途中交代した主力選手が先にベンチを離れることはなく、ベンチで大声を出すという。会沢は驚いた。すぐにブックマークに保存。いてもたってもいられず、思いを小窪と共有した。

 「新井さんも石原さんも、何でも協力すると言ってくれています。自分たちが頑張って、結果がどうなるかは分からない。でもやれるだけやってみます」

 会沢の一撃をきっかけに打線がつながって大勝。不安な中継ぎ陣を全員でカバーするように打線が打ちまくった。これで開幕10試合を終えて5勝5敗で勝率5割。ド派手なスタートダッシュとはいかなかったが、食らいついている。雰囲気は明るく、敗れても下を向く選手はいない。目標は1つ。あのブックマークを超える日が来ることを信じ、チームは戦っている。【池本泰尚】