<阪神6-10ヤクルト>◇7日◇甲子園
痛みを乗り越えた男たちが、チームの連敗を3で止めた。5-5の7回1死一塁。ヤクルト畠山和洋内野手(33)が、阪神ドリスの152キロ直球を中前にはじき返した。背中の張りを訴え、4月15日に出場選手登録を抹消。同10日のDeNA戦以来となる1軍の舞台。「久しぶりに戻って、1軍レベルの球はなかなか打てない。よく打てたよ」とこの日、初安打でチャンスを広げた。
今春のキャンプでは、ぎっくり腰。日常動作に問題はなかったが、守備に不安があった。「一塁は速い打球が飛んでくる。いざというプレーが出来るのか」。開幕戦には間に合ったが、「無理やり、練習に参加していた」状態だった。だからこそ、「焦っても意味はない」と約1カ月のリハビリ期間でじっくり体のケアに努めた。試合後、「疲れもない」と言った笑顔に万全の状態が垣間見えた。
次打者の大引も続いた。1死一、二塁。センター返しで満塁とした。何とか打ちたかった。5日、父正次(まさつぐ)氏が亡くなった。66歳だった。同日は横浜スタジアムでDeNA戦。試合後、新幹線で実家の大阪に入り、父の最期を見届けた。
大引 おやじがいなかったらプロ野球選手になれていない。野球はずぶの素人。でも「最後までやりなさい」「人が怒られていることは自分のことだと思いなさい」とか人間教育の部分で僕を大きくしてくれた。
2人の気持ちに後続がこたえた。この回に一挙5得点で乱打戦を制した。1回に先制の9号3ランを放ったバレンティンが「畠山が戻ってきてくれてうれしいよ。これで最強のメンバーがそろった」。故障から復帰した畠山、つらい別れを経験した大引。チームが強く1つにまとまった。【栗田尚樹】