<日本生命セパ交流戦:阪神5-1西武>◇4日◇甲子園
ぱっちりお目覚めは打線だけじゃない。4戦勝ちなしの3連敗と長いお眠りだった阪神ランディ・メッセンジャー投手(34)が「日本生命セ・パ交流戦」西武戦で1カ月ぶりの5勝目を挙げた。前日12得点の西武打線を7回1点とスリープ状態にした。2日楽天戦で登板7試合ぶりに勝利を挙げた藤浪とともに激しい起床で白星ラッシュの予感。この際、KOよさらば、と誓うのもアリ?
今日こそ勝ってやる。メッセンジャーの全身から、気迫がほとばしっていた。3点差に迫られた7回、なおも2死一、二塁。1発同点の場面で西武は6度の本塁打王、中村を代打に送ってきた。助っ人右腕は動じるどころか、闘争本能をむき出しにした。
「彼は好打者だからね。代打で出てきて火がついたよ。いい打者には気持ちで向かっていかないとね」
初球から胸元を攻めた。144キロ、149キロの真っすぐで見逃し2つを奪うと、最後は121キロのカーブで空振り三振。危機を脱し、5試合ぶりの白星を決定づけた。
「全球種でカウントを取ることができた。全ての球がよかったね。マウンドで自分の投球ができたよ」
7回6安打1失点。10三振を奪うほぼ完璧な内容だった。大きなポイントは、メヒア封じ。矢野作戦兼バッテリーコーチは「ランディは研究熱心だからね」と明かした。前日、満塁弾など2発を浴びた獅子の4番を徹底分析。VTRなどで得意なコースや苦手な球種を何度も確認し、3打席1四球無安打に抑えた。
5月5日の中日戦から1カ月近く、白星に見放されていた。コリジョン・ルールの適用判定に泣いた同11日の巨人戦。空振り三振のジャッジがファウルに覆り、直後に痛打された同22日の広島戦もあった。好投しても勝てない日々…。それでもチーム思いの開幕投手が腐ることはなかった。「5度目の正直」で5勝目をつかんだ。
金本監督も「立ち上がりから良かったね。特にフォークのキレ、落ちが良かった」と評価。「投手は勝ちがつくかつかないかで、大きく違うと思う」と復活祭に目尻を下げた。
試合後に取材を受けている間、観戦していた幼い3人の子どもが駆け寄ってきた。メッセンジャーは突然表情を崩してパパの顔になり、ヒーロー賞でもらったトラッキーのぬいぐるみをプレゼント。子どもたちも大喜びだ。最高の勝利報告。大好きな暑い季節に向け、目覚めた助っ人がエンジンをかけていく。【山川智之】