ソフトバンク山田1100日ぶり復活星「よかった」

今季初勝利を挙げた山田(左)は勝利球を手に工藤監督から祝福される

<日本生命セパ交流戦:ソフトバンク6-3DeNA>◇7日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク山田大樹投手(27)が、1100日ぶりの勝利を挙げた。「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦で2年ぶりの1軍登板を果たすと、7回4安打1失点の好投。13年6月3日阪神戦以来、3年ぶりに白星をつかんだ。巨大戦力の波にのまれ続けた左腕が、ようやく巡ってきたチャンスで輝きを放った。

 ウイニングボールを山田はズボンの左ポケットに大事そうに収めた。「久しぶりなので親にでもあげましょうか。一生懸命やってきてよかった。何度かめげそうな時もあったけど、今年は下でもいつかは(上で)というようにやれた。やってきてよかった」。1100日ぶりの勝利をかみ締めた。

 初回は緊張から連続四球を出したが、2回以降は落ち着いた。3回2死一、三塁のピンチでは4番筒香と対峙(たいじ)。フルカウントから外角低めに「イメージ通り」というカーブで捕邪飛に切り抜けた。12年に8勝を挙げた左腕も巨大戦力の波に押され、出番がなかった。ほぼ3年続いた2軍生活で、持ち味の動く直球、スライダー、そしてカーブの精度を高め続けた。昨年からは乱視を矯正するために登板時にはメガネをかける。左右の見え方のズレがなくなり、制球力アップにもつながった。

 育成の星も10年目を迎えた。毎年、熊本・山鹿市で自主トレを一緒に行っていた師匠の帆足(現打撃投手)が昨季限りで引退。今季の自主トレは、14年まで同僚だったヤクルト山中に連絡し、熊本市で行った。

 OBの斉藤和巳氏も走ったという熊本・下益城郡美里町の「日本一の石段」にも挑戦。3333段を上りきった。移籍した山中は昨年6勝を挙げ、今季も2勝を挙げている。山中は「お互い腐らずにやろうという話はしました。持ち味を出すしかないと言ってましたね。強い覚悟を感じました」と話す。山田はその言葉通り、分厚い選手層の中、2軍で10試合黙々と投げ4勝0敗、防御率1・96の成績を残し、疲労蓄積のバンデンハークの代役としてチャンスをつかんだ。

 工藤監督も「バンデンが投げられるなら入れ替えも考えるが、次もおそらくいく予定です」と次回登板機会を与える考えを示した。「日本一の石段」は熊本地震にも耐え、ほぼ無事だったという。同じように心身タフな山田が久々の1軍で最高の輝きを放った。【石橋隆雄】