<オリックス1-4日本ハム>◇11日◇京セラドーム大阪
日本ハムの勢いが止まらない。球団の連勝記録を9年ぶりに「15」へと塗り替えた。敵地でのオリックス戦。打撃不振の中田翔内野手(27)が7回2死二塁から遊撃への打球を激走で内野安打とし、追加点を奪うなど、チーム一丸で節目となる白星をもぎ取った。この日、試合のなかった首位ソフトバンクとのゲーム差は、5月24日以来の5に縮まった。
中田が、激走で未知の世界を切り開いた。安全圏ではない2点のリードで迎えた終盤の7回2死二塁。中田がバットの先で引っ掛けた打ち損じのゴロが、三遊間深くへと弾む。打撃を悔やむ間もなく猛烈に駆けだした。内野安打。さらに遊撃・安達の送球失策を誘い、待望の追加点をもたらした。「そこ? どうでもいいよ」。照れ隠しなのか。ぶっきらぼうだが、久々に底抜けに笑った。
チームの最高ムードの中で孤独と闘う。主力野手が好調で、大型連勝をけん引。1人だけ大スランプ…蚊帳の外にいた。大きな輪に加われない疎外感。不思議と酷な役回りも、受け持っていた。試合前のシートノック終了後に、野手陣で組む円陣の声出し役。勝ち続けていれば、同一人物が続けて務めるのがルール。中田が指名された6月19日中日戦。今回のビッグウエーブの起点だった。この日で15試合連続で鼓舞した。
「オレじゃなくても、もうええやろ」
「野球が、おもんない(面白くない)わ」
自分本位な愚痴をこぼす時もあった。15連勝中に、腰の張りを理由に欠場2試合。13試合出場で打率1割8分でわずか5打点、14三振でノーアーチとバットは撃沈している。「こんな長いスランプは初めてや」。トンネルの出口はまだ見えないが、姿勢は変わった。凡打で全力疾走を怠ることが多かったが、目覚めた。今、できることを-。この日は1回の三ゴロでも、大きく、力強いストライドで一塁へ突進した。
一体感を最大の武器に、白星を量産している今を象徴する1点で、勝負の一戦の大勢を決めた。後輩が多いチームメートたちの懸命さに心打たれ、変身した4番の渋い働きで記念星をもぎ取った。球団新の快挙を呼び込んだ。栗山監督は、余韻に浸りながら熱く分析した。「選手たちが本当に一生懸命やってくれている。オレには実感がない」。この特別な夜に、体現したのは中田。人ごとのように、長く続く幸せな軌跡を振り返った。「すごいよね。率直に、すごい」。今日、勝てば球界では21世紀初の16連勝の偉業も待つ。首位ソフトバンクと5ゲーム差。必死に全力で全員が心1つに、追いかける。【高山通史】
▼日本ハムが07年の球団記録(14連勝)を更新する15連勝。15連勝は05年のソフトバンク以来、11年ぶり延べ9チーム目。54年南海、60年大毎のプロ野球最多18連勝まであと3勝。今日12日のオリックス戦では65年南海以来51年ぶりの16連勝なるか。