松坂超えや! 前半戦で4勝どまりの阪神藤浪晋太郎投手(22)が、2桁勝利到達を最低ノルマに掲げた。金本監督からは「残り全勝指令」が飛び出すほど期待値は高い。高卒1年目から4年連続2桁勝利となれば、球界全体でも46年ぶりで、ドラフト制後では5人目。西武松坂も達成できなかった快挙を成し遂げた時、虎の大逆襲は現実味を帯びているはずだ。
朝っぱらからセミの鳴き声。灼熱(しゃくねつ)の太陽に肌を焦がしながら、高校球児がグラウンドを走り回る。夏だ。藤浪が苦悩に別れを告げる季節だ。4年連続4度目の球宴を終え、逆襲の誓いを立てた。
藤浪 チームも自分も借金がある。しっかり返したい。後半戦しっかり勝たないと2桁には届かない。2桁勝利は目標ではないけど1つの目安。しっかり頑張りたいですね。
前半戦は納得しがたい数字に終わった。4勝5敗、防御率3・46。開幕3連勝後は12試合先発でわずか1勝しか手にできなかった。前半戦最終登板となった8日広島戦は8回8失点。今季早くも8度目の初回失点を喫し、金本監督から161球の“懲罰続投”を命じられもした。球宴では第1戦に2番手で登板し、2回無安打無失点。お祭り舞台でリフレッシュを終え、巻き返しのタイミングだ。
1年前は球宴明け最初のマウンドとなった7月24日DeNA戦で完封勝利。後半戦は12試合先発で7勝2敗と大きく勝ち越している。今季も残り56試合での6勝以上は現実的な数字といえる。そもそも、昨季終盤に右肩痛を発症した影響から、オフから春季キャンプにかけてスロースタートを余儀なくされた経緯もある。夏を迎えての本領発揮に大きな期待がかかる。
金本監督 全勝するぐらいの気持ちでいってもらわないと。残り11回か12回。投げる試合は全部勝つつもりでいってくれているとは思うけどね。エンジン全開で、前半とは真逆(まぎゃく)の成績を残してもらわないと。
指揮官は後半戦開幕前日の全体練習後、熱く訴えた。コーチとして参加した球宴期間中にも、藤浪には奮起を促す言葉を直接投げかけていた模様。成績のV字回復を信じて疑わない将の思いを、むげにするわけにはいかない。
高卒1年目から4年連続2ケタ勝利となれば、江夏豊(阪神)以来46年ぶり、ドラフト制後では5人目。西武松坂も日本ハム・ダルビッシュも楽天田中も達成できなかった快挙へ。その道のりは必ず、虎の大逆襲ロードと重なっていく。【佐井陽介】