広島田中「頭で行く」神走塁&4安打で打線けん引

お立ち台で笑顔でポーズを決める3勝目を挙げた岡田(右)と4安打の田中

<広島11-3中日>◇19日◇マツダスタジアム

 「神ってる」走塁で連勝じゃ! 広島の1番田中広輔内野手(27)が、スピードに乗ったタッチアップからの本塁生還で大きな追加点をもぎ取った。打っては3ランを含む4安打の固め打ち。7月に入り、調子を落としていた切り込み隊長が足とバットでチームを連勝に導いた。

 右翼の定位置前方に飛球が上がった。1点を先制した3回無死満塁。続く打者は新井。しかも右翼手は強肩平田だった。だが、練習から平田の動きを見ていた河田三塁コーチは「行け」と三塁走者田中の背中を押した。「足で行っては間に合わない。頭で行く」。捕手桂のタッチのスピードを上回る速さで頭から突っ込んだ。リプレー検証でも判定は変わらない。貴重な追加点をもたらし、直後の新井の3ランをお膳立て。河田コーチが「ナイススライディング。今日はお前のプレーで勝ったとほめてあげたい」と絶賛する「神走塁」で勝利をたぐり寄せた。

 バットでも貢献した。4回に中押しとなる6試合ぶりの3ラン。4月30日中日戦(マツダスタジアム)以来の4安打固め打ちだった。試合前まで7月は打率1割3分3厘。出塁率も2割5分にとどまっていた。社会人時代から日々のトレーニングを継続し、コンディション維持に努めてきた。だが全試合1番として先発し、内角攻めや変化球多投などの徹底マークにあい、形を崩した。「僕が打っていれば、楽に勝てた試合もあったと思う。目に見える数字を気にしてしまうところが僕の弱いところ」。主力としての重圧と責任を痛感。焦りはあった。

 不振脱却を図り、この日は早出特打に志願して参加。手袋をつけるよりもグリップ性が上がるという素手でバットを握り12分間、ロングティーを繰り返した。「下半身を意識した練習が結果につながった。いい方向性は見えた。明日もしっかり打ちたい」。表情にも明るさが戻る。復調への光明は見えた。

 緒方監督も「広輔はナイスランだった。2点を取って、ビッグイニングにつながった」と1番として働きを評価した。貯金は最多21に更新。輝きを取り戻した切り込み隊長が、頂点まで打線をけん引し続ける。【前原淳】