阪神原口が意地の完封阻止弾「ファンを喜ばせたい」

5回裏阪神2死、中越えソロ本塁打を放つ原口(撮影・清水貴仁)

<阪神1-6巨人>◇19日◇甲子園

 一服の清涼剤だった。不快指数がグングン上昇する中、スカッと痛快な1発だ。虎のシンデレラボーイ原口文仁捕手(24)が途中出場した5回、内海からバックスクリーンへ7号ソロ。スタメンマスクを坂本に譲ったが、自慢のバットでアピールした。「ファンを喜ばせたい一心」と気持ちを込めた一撃を、今度は勝ち試合で頼む!

 鳴りやまないタメ息の嵐。序盤に6点をリードされるワンサイドゲームだ。そんな重苦しい雰囲気を、原口が一振りで変えた。5回2死。内海の外角高め、140キロ直球を振り抜いた。打球は大きな弧を描き、甲子園球場の最深部、バックスクリーンへと吸い込まれた。

 「ファンをなんとか喜ばせたい一心でした。打席の前にそういう気持ちで入って、一振りできっちり決められたんでそれは良かったんじゃないかなと思います」

 6月20日オリックス戦(甲子園)以来となる7号ソロアーチ。チームにとっても、聖地での本塁打はその日ぶりだった。虎党にとっても待望の1発。だが、原口は笑みを浮かべることなくダイヤモンドを1周した。5月の月間MVPを獲得するなど、めざましい活躍をしてきたシーズン序盤だったが、7月に入るとスタメンマスクはわずか2試合。この日も3回途中からの出場だった。「僕も勝負、競争なんで。(結果が)出たことに越したことはないですけど」。悔しさも入り交じる一撃だった。

 前日18日同戦。9試合ぶりに先発マスクをかぶった。だが先制点を奪われたシーンを振り返った金本監督から「配球が全部外。外ばっかりというのは」とリード面の苦言を呈された。一夜明けたこの日。反省を生かすように内角を大胆に突いた。3回途中からマスクをかぶると松田に榎田、安藤、高橋、マテオの救援陣を無失点に導いて反攻の機をつくった。

 「なんとかこれを継続して、どの(守備の)場面にいってもやっていきたいと思います」

 苦しい試合が続くなか、またもや沈黙した阪神打線。その中でシンデレラボーイの一打が、せめてもの救いとなった。【梶本長之】

 ▼原口が完封負けを阻止する7号ソロ。甲子園では3本目で、チームではゴメス5本に次ぎ2位。また巨人戦での2本塁打は、鳥谷、ゴメスと並んでチーム最多だ。