巨人35歳村田激走で先制打を演出「ナイスラン」

2回裏巨人無死一塁、橋本到の右前打で三塁へ滑り込む村田(撮影・狩俣裕三)

<巨人10-1ヤクルト>◇7月31日◇東京ドーム

 巨人がベテラン2人の激走で弾みをつけた。2回、村田修一内野手(35)が右前打で一塁から三塁を陥れ、先制打を演出。4回2死一、二塁では阿部慎之助捕手(37)が村田の左中間二塁打で一塁から本塁生還を果たした。積極走塁で、昨年8月19日阪神戦以来となる本塁打なしでの2桁得点をマーク。走攻守がかみ合っての3連勝で貯金4。7月は14勝7敗の上り調子で勝負の8月を迎える。

 スピードを緩めることなく、村田が二塁を蹴った。2回無死一塁。橋本到の右前打を追うヤクルト山崎のチャージが甘いのを見逃さなかった。「捕る体勢が横向きだったしいけると思った」と、必死の形相で三塁を陥れた。無死一、三塁とし、続く脇谷の先制打をお膳立てした。この回7安打6得点の呼び水となる積極走塁に「前に進めば点も入る。ナイスランでした!」と自画自賛した。

 37歳阿部も負けていない。4回2死一、二塁。村田の左中間二塁打で一塁から本塁生還。6点リードにもかかわらず、息を切らしながらベンチに戻るほどの全力走塁でヤクルトの反撃意欲を断った。高橋監督は「みんな積極果敢に走ってくれている。ベテランがきっちりやってくれればチームも締まる」と目を細めた。

 走力は巨人伝統のストロングポイントの1つでもある。昨季まで2年連続で盗塁数リーグトップで、足でも好機を広げ得点を稼いでいた。今季は、この試合前まで12球団ワーストの33盗塁。だが、この日は空中戦なしの地上戦を展開し、13安打2盗塁で10得点。本塁打なしの2桁得点は昨年8月19日阪神戦以来で、高橋監督は「きっちりつないで点を取ってくれている」と、手応えをかみしめた。

 7月を14勝7敗で終えた。内海、大竹寛、マイコラスと先発陣も整備され、4番阿部が柱の新打線も快音続きと、走攻守で整ってきた。5日からは首位広島との3連戦を迎える。高橋監督は「とにかく(2日からの)中日戦をきっちり戦うことが大事」と足元を見つめた。奇跡の大逆転へ-。前を行く広島を、スピードを上げて追い上げる。【浜本卓也】