85年前に甲子園を沸かせた対決が再び-。1931年に全国中等学校優勝野球大会(現在の全国高校野球選手権大会)の決勝を戦った、台湾南部の嘉義(かぎ)農林(嘉農)と愛知県の中京商の流れをくむ嘉義大と中京大の硬式野球部が1日、名古屋市で親善試合を行い、中京大が7対4で勝利した。

 中京大によると、昨年12月に共同研究を進める学術協定を締結したことをきっかけに嘉義大が親善試合を申し入れた。

 嘉農は台湾の先住民や漢民族、日本民族で構成されたチームだった。愛媛県の松山商で監督を務めた近藤兵太郎氏が指揮を執り、野球経験のない選手たちを鍛え上げた。31年の大会に日本統治下の台湾代表として初出場。快進撃したものの、決勝で中京商に0対4で敗れた。

 2014年には、嘉農を取り上げた映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」が台湾で公開され、大ヒットした。

 中京大の半田卓也監督は「85年前の縁で試合ができたことが、勝ち負けよりありがたい」と話した。嘉義大の馬文修主将(21)は「先輩を見習い全力を尽くしたが、負けてしまった。次は勝ちたい」と雪辱を誓った。両大は2、3両日も愛知県豊田市で親善試合を行う。