巨人坂本、球団タイ8連続マルチ 山田に抜かれ闘志

笑顔でタッチを交わす沢村(右)坂本(同2人目)ら巨人ナイン(撮影・たえ見朱実)

<広島2-3巨人>◇6日◇マツダスタジアム

 巨人坂本勇人内野手(27)が、球団タイ記録の8試合連続マルチ安打で今季初の7連勝に導いた。1、3回と単打を放ち、1点を追う5回には同点打で3安打猛打賞を飾った。連勝中は26打数16安打、打率6割1分5厘と驚異の数字をマーク。打率3割4分3厘で首位打者に君臨する。プロ入り後、1度も月間打率3割以上がなかった8月に大暴れし、首位広島に4・5差に迫った。

 これが、“絶好調男”の勢いだった。3回、坂本は左前打を放ち、わずか2打席でマルチ安打を達成した。85年に元祖“絶好調男”中畑清が記録した球団記録の8試合連続マルチ安打に並んだ。「継続できるように頑張ります」。5回には同点の適時打を放ち、3安打猛打賞でチームを今季初の7連勝に導いた。

 苦手の8月を克服する源は、3冠王も視野に入れるヤクルト山田の大活躍だった。首位打者争いで追い抜かれた翌日の6月26日DeNA戦の試合前、負けず嫌いな男の心にスイッチが入った。個人のタイトルや記録に無関心のはずが、悔しさをにじませた。

 坂本 抜かれた? 知ってますよ。くそっ! 哲人はホームランも、打点もすごいから。打率くらいは何とか…、ね。

 侍ジャパン、同じ兵庫出身のかわいい後輩だが、根底にあるのは野球人としての反骨心。広島への移動日だった4日、首位打者に再浮上した話題を振られても「筒香と山田がすごいから」とかわしたが、心の中で静かに燃えたぎる。

 子供の頃から、反骨心の塊だった。小学生時代にチームメートだった田中(ヤンキース)とは、ダッシュやフリー打撃で競い合った。人一倍、対抗意識を燃やし、田中が1秒でも速ければ、1メートルでも遠くに飛ばせば何度でも挑戦した。7連勝中の打率は驚異の6割1分5厘。3冠王争いを繰り広げる山田、DeNA筒香を一気に抜き、打率3割4分3厘と引き離した。

 6日は原爆の日でピースナイターとして、開催された。昨年、沖縄・糸満市内の平和祈念公園を訪問し「野球ができることが、どれだけ幸せなことか」と実感。プレーできる幸せを胸に秘め、グラウンドで躍動した。「また、明日勝てるように」。首位広島との差を一気に4・5に縮め、大逆転優勝のムードも一気に押し上げた。【久保賢吾】

 ▼巨人は14年6月以来の7連勝。この日は5回に坂本、阿部、村田の3連打で逆転。坂本は7月28日から8試合連続マルチ安打で、54年与那嶺、85年中畑に並び2リーグ制後の球団タイ記録をマーク。阿部はチーム14人、15度目の20試合連続安打となった。7月24日から3番坂本、4番阿部、5番村田で固定し、チームは9勝1敗。この間、3人合わせて116打数52安打、打率4割4分8厘、28打点、5V打と、中軸の活躍で広島との差を4・5ゲームに詰めてきた。