北條が同点犠飛&V打 阪神は連敗脱出

6回表阪神2死満塁、北條は遊撃に勝ち越し適時内野安打を放つ(撮影・宮崎幸一)

<広島1-2阪神>◇10日◇マツダスタジアム

 やり返しました! 阪神北條史也内野手(22)が初回失策からの同点犠飛、さらに6回2死満塁で勝ち越しの遊撃内野安打。真っ赤に染まる敵地でファンの六甲おろしに包まれた。今季は、ここまで14敗を喫するなど広島に大苦戦。やられたらやり返せと選手を鼓舞してきた金本監督の期待に応え、チームの4連敗を阻止した。

 阪神北條が汚名返上の働きだ。1点を追う2回1死一、三塁で左翼に同点犠飛を打ち上げると6回2死満塁では、決勝打となる遊撃への適時内野安打をマーク。接戦勝利の殊勲者となり、自身初のヒーローインタビューも勝ち取った。

 「僕のミスを能見さんが助けてくれたんで(犠飛は)一、三塁で初球からどんどんいこうという気持ちで入りました。(6回は)何とかいいところに転がってくれてよかった」

 1回、能見のボークで1失点後にゴロをファンブル。得点にはつながらなかったがハラハラさせた。3回にもルナの当たりをそらし、記録は安打だったが不安定さを見せた。そんなミスはバットで取り返した。

 この日を終えて打率2割5分5厘とまずまずだが、得点圏打率はこの試合前まで1割6分7厘だった。チャンスに弱い理由に「なんでですかね。緊張するのかな」と苦笑する。だがこの日は打った。

 「そういうことを考え出すとダメなんで。何も考えず低めは捨てるぐらいのつもりでいった。犠飛もあったし、安打も出ていたのでいいイメージでいった」。満塁機に打席へ向かった心境をそう明かした。

 藤浪と同期入団のドラフト2位。甲子園のスターだったが入団後は守備を中心に苦しんだ。それでも炎天下の鳴尾浜で鍛え上げた。入団時、2軍の風岡内野守備コーチ(現オリックス)と連日、早出で特訓。「北條が死ぬか、オレが死ぬかと思ったこともありました。テレビで見るけどうまくなりましたよ」(風岡コーチ)。当時の2軍監督の平田チーフ兼守備走塁コーチも「よくドヤしあげて、やってたね」と言う。

 「あれは打ったというのかな。1本いい当たりをしてチャンスでしぶとく食らいつく姿勢を見せてくれれば、また違う、新しいものが見えてくるはず」。勝ち越し打を厳しく評した金本監督も「不思議な魅力がある」と期待する存在だ。

 初めてのヒーローインタビューは敵地で場内に声が流れず「実感ないんですけど。今度は甲子園でヒーローになれるように頑張ります」と振り返った北條。その活躍で連敗を3で止め、3位DeNAに再び4ゲーム差に迫った。こんな男がもっと目立てばチームに勢いがつくはずだ。【編集委員・高原寿夫】

 ▼北條が6回2死満塁で決勝打。2回1死一、三塁からの犠飛と合わせ、2打点でチーム全得点をもたらした。北條は今季、得点圏打率1割8分(61打数11安打)で、得点圏打数60以上のセ・リーグ36人中最低。得点圏では安打で11打点のほか、犠飛、スクイズ、押し出し四球や内野ゴロで6打点、計17打点を挙げている。

 ▼北條は今季広島戦での、打率3割6厘、7打点、15安打はいずれも自身カード別最高(打率は対セ球団のみ)。マルチ安打は4度目で、これも対戦別最多。

 ▼阪神の1試合3盗塁は今季最多タイ。9回で終わった試合では、4月5日巨人戦、同19日ヤクルト戦、5月22日広島戦に続き4度目(ほかに7月13日ヤクルト戦で延長イニングでの2盗塁含め計3盗塁)。盗塁失敗なしの3盗塁となると、9回までの試合では4月5日巨人戦以来2度目となった。