阪神ゴメス20号もふい 代償大きいタイムリー失策

6回表阪神1死、左中間に20号本塁打を放つゴメス

<広島5-3阪神>◇11日◇マツダスタジアム

 起き上がれない。沸き上がる赤く染まったスタンドを横目に、阪神ゴメスはうつぶせの状態で、転がったボールの行く先を見つめるしかなかった。勝利の立役者から一転、痛恨の悪送球で逆転負けを招いた。

 悪夢の7回。藤浪の悪送球から1点差に迫られ、なおも1死二、三塁だ。広島田中のボテボテのゴロが目の前に転がった。三塁走者安部が猛然と本塁に突っ込むが、あせらず本塁に転送すれば間に合うタイミング。その瞬間だ。捕球後、ゴメスは右足を芝生にとられて体勢を崩した。そのまま送球を試みるが、捕手原口も止められない悪送球がバックネットに到達する。二塁から逆転の走者赤松までが生還した。

 ヒーローになるはずだった。6回。広島九里から左中間に20号ソロを放ち、2点差に広げた。来日1年目の14年(26本塁打)以来、2度目の20本塁打。阪神在籍中の複数回20本塁打は、アリアス以来8人目だ。阪神の助っ人史に名前を刻むアーチを勝利で祝福するはずが、一転、地獄に真っ逆さまだ。

 予想外のミスに金本監督も「(足をすべらせた)そうも見えるし…。すべるのもミスだからね」と話せば、久慈コーチも「慌てたんじゃない。ゴメスのミス。あの回にミスが2つ出てしまった。ダメ押しのミスだった」と厳しい表情で振り返った。本塁打以外の打席は3三振。ゴメスは試合後、報道陣の問いかけに応じることなくバスに乗り込んだ。【梶本長之】