ソフトバンク松坂、復活登板あるぞ!最短9・25

練習中、チームメートと談笑するソフトバンク松坂(撮影・栗木一考)

 ソフトバンク松坂大輔投手(35)の日本復帰登板が今季中に実現する可能性が浮上した。29日、次回登板は9月4日の巨人との2軍交流戦(大分)に決定。工藤公康監督(53)は「今シーズン中に投げてもらうように、調整してもらう」と言及。3度の先発を目安に、状態次第で1軍昇格を検討する。右肩手術の苦難を経て、シーズン最終盤での復活マウンドが視界に入ってきた。

 松坂の復活マウンドが現実味を帯びてきた。28日の3軍戦で、移籍後最速の147キロを計測。一夜明けた29日にヤフオクドームで練習を行った。約80メートルの遠投に取り組むなど、手術した右肩の状態は良好。次回登板も9月4日に決定した。「(肩は)問題ない。特に体の張りは出ていないので、いいんじゃないですかね」。表情を緩めることはなかったが調整は順調のようだ。

 昨年は8月に右肩を手術し、1度も1軍のマウンドを踏めなかった。今季も指先の違和感や腰の張りなどで、計画は何度も練り直した。苦難の連続だったが、日本復帰登板の道もようやく固まってきた。今後は9月4日巨人戦に始まり、日曜日ごとに先発していく方針だ。「スピードも出ているという話は聞いた。2、3週間後に調整できて、順調にいけば、(先発の)バックアップという形で、投げられる準備をしてもらう。今シーズン中に投げてもらうように調整してもらう」。福岡空港で取材に応じた工藤監督ははっきりと言った。

 「サンデー松坂」の結果次第で、1軍昇格を判断する。3度の先発を目安とすれば、最短で9月25日西武戦(西武プリンス)が復帰の舞台になる可能性がある。この流れに関して、松坂は「判断は自分ではできないので、目の前のことをやっていくしかない」と話した。全盛期の投球は見られないが、その実績や存在感は圧倒的だ。日米で頂点に立った経験もある。チームは2位日本ハムに「マイナス0・5ゲーム差」で首位に立っている。激しいペナントレースは、シーズン最終盤まで続きそうだ。CSや日本シリーズといった短期決戦もある。怪物と言われた右腕が合流すれば、大きな刺激を与える存在になるのは間違いない。【田口真一郎】

 <松坂16年の歩み>

 ◆2月1日 キャンプ初日、捕手を座らせて50球のブルペン投球。

 ◆3月3日 288日ぶりの実戦マウンドとなるB組(2軍)韓国・斗山との練習試合に先発。2回完全。

 ◆同16日 オープン戦西武戦に先発し2回3安打1失点。

 ◆4月14日 ウエスタン・リーグ阪神戦の7回に2番手として登板し、1イニングを1安打無失点。

 ◆同20日 ウエスタン・リーグ中日戦で先発し、2回2失点で負け投手となった。144キロをマーク。

 ◆5月14日 ウエスタン・リーグ広島戦で、1回2/3を投げ、9失点と炎上。以降の登板が白紙になった。右手の違和感、腰の張りもあり、慎重にリハビリを開始。

 ◆6月30日 本格投球を再開。約1カ月半ぶりに捕手を座らせ、変化球も交えて40球。

 ◆8月20日 シート打撃登板で打者11人に全球種42球を投げ、被安打2、奪三振4。

 ◆同28日 四国IL・香川との3軍戦に先発し、日本球界復帰後最速の147キロを計測した。3回を1安打無失点。