阪神藤浪、侍で解禁 黒田ばり新魔球に成長の可能性

ブルペンでツーシームを投げ込む藤浪(撮影・上田博志)

 あるぞ、マル秘ツーシーム! 阪神藤浪晋太郎投手(22)が安芸秋季キャンプ第2クール初日の3日、ブルペンでWBC公式球仕様の新ツーシームを試した。これまでのシンカー気味に沈む軌道に満足せず、真横に曲げる軌道を模索。10日から4日間行われる侍ジャパン強化試合、そして17年3月のWBCを見据え、貪欲に引き出しを増やす。

 藤浪がマウンド上から意図を伝えると、片山ブルペン捕手は「無理やろ~」と苦笑いした。だからといってひるまない。自身秋季キャンプ最多となる86球のうち、約3分の1をツーシームに費やした。未知なる軌道を模索していたのだ。辺りが暗闇に包まれた午後6時。練習を終えてタクシーに乗り込む直前、苦笑いでマル秘ツーシームを振り返った。

 藤浪 やろうとしたんですけど、なかなか思い通りにはいかないですね。自分のツーシームはシンカー気味に垂れる感じなので。

 藤浪のツーシームは通常、右打者の内角に沈んでいくイメージ。これがWBC公式球を使うと、さらに曲がり幅、落ち幅が大きくなる。今秋キャンプ中のブルペン投球中には「康晃さんになった感じです」とニヤリ。大きく沈むツーシームを決め球とするDeNA山崎康の名前を挙げ、納得顔を浮かべていた。

 ここで満足しないのが藤浪だ。WBC球仕様のツーシームをさらに進化させられないか、新たな軌道の探求に入った。片山ブルペン捕手は「左打者の懐から真横に曲がるイメージだろうね」と説明。沈ませるのではなく真横に滑らせる。頭に描いた軌道を試した。

 藤浪 何球か(イメージした軌道が)出ることは出ましたけどね。なかなか難しいですね。

 難解な問題を解きにかかっているのは承知の上。ただ、もしモノにできれば左打者の内角ボールゾーンからストライクゾーンをかすめる、広島黒田ばりの「フロントドア」に成長する可能性を秘める軌道だ。

 「あのボールだから、というのはある」と話す通り、新しい軌道は実現させるとしても、曲がりが大きくなるWBC球限定となりそうだ。秋季キャンプ地の高知を5日に離れ、10日からはオランダ、メキシコと4試合行われる侍ジャパン強化試合に参戦予定。17年3月のWBCメンバー入りに向け、マル秘ツーシームは磨く価値がある。【佐井陽介】