仙台6大学153キロ腕、仙台大・馬場は神宮目指す

プロ注目の最速153キロを誇る仙台大・馬場

 みちのく大学野球が、ついに開幕! 仙台6大学、南東北大学が8日、北東北大学が22日から始まる。各リーグの優勝チームに与えられる全日本大学野球選手権大会(6月5日から7日間、神宮球場)の出場切符をかけて、火花を散らす。注目は仙台6大学の仙台大・馬場皐輔投手(4年=仙台育英)。今秋のドラフト候補の最速153キロ右腕が、リーグ2連覇に導く。

 ドラフト有力候補の馬場が、大学生活最後のシーズンになるリーグ開幕を自然体で待つ。チームは昨秋優勝。15年秋以来、自身2度目の開幕投手候補に挙げられている。馬場は「(投手陣は)みんな調子がいいので1人で背負う必要はない。チームの一員として頼られた時にしっかりと投げたい」と気負いはない。

 3月の練習試合では社会人チーム4戦に先発。17日の楽天2軍戦は6回を6安打3失点(自責1)7奪三振。26日のきらやか銀行(山形市)戦は3安打10奪三振で完封勝利した。リーグ開幕前の最後の実戦調整になった七十七銀行(仙台市)戦は7回に2四球絡みで3失点したが、6回までは散発4安打7奪三振に抑えた。格上を相手に「自信になりました」(馬場)と手ごたえを感じている。

 体全体を使った気迫ある投球が持ち味。最速153キロと球速は申し分ない。制球にばらつきはあるが、計44四死球中、死球が19個。攻めている証しでもある。森本吉謙監督(42)は「波のある幅は減ってきた」と成長を認めている。

 リーグ通算8勝(4完投2完封)4敗。抑えを任された昨秋は2戦救援で計2イニングと出番が少なかった。だが「自分よりもほかの投手が良かった」と客観的に考える。体重は昨秋から2キロ増の90キロ。体形に大きな変化はないが、体育系大学ならではのプログラムを組み、体脂肪率は18%から13%に下がった。「4カ月間で5%減って筋肉量が増えました。下半身が安定して球にスピンがかかり、球質も球威も平均球速も上がった」と実感している。

 仙台育英でともに甲子園出場した同級生、上林誠知外野手(21=ソフトバンク)と大学で2学年先輩の熊原健人投手(23=DeNA)の背中を追う。馬場は「うらやましいとは思うけれど、そこを目標にすると欲が出る。チームに貢献できる投球をして神宮で投げたい」と高校2年秋の明治神宮大会優勝以来の、神宮登板を狙う。【佐々木雄高】

 ◆馬場皐輔(ばば・こうすけ) 1995年(平7)5月18日、宮城県塩釜市生まれ。塩釜三小3年からリトルリーグ塩釜ドラゴンズで野球を始める。塩釜三中では七ケ浜シニアに所属。仙台育英では2年秋からベンチ入り。同秋の県、東北大会に続き明治神宮大会でも優勝し、翌春センバツ8強。3年夏の甲子園は3回戦進出。仙台大で1年春の東北大戦に先発し、デビュー戦白星。右投げ右打ち。家族は両親と妹2人。180センチ、90キロ。血液型O。

 ◆仙台6大学展望 リーグ2連覇を狙う仙台大は豪華投手陣を誇る。馬場、岩佐政也(4年=柴田)に加え、稲毛田渉(2年=帝京)の3本柱はリーグトップ。2季ぶりの覇権奪還に燃える東北福祉大は、今季から本格的に外野に挑戦する楠本泰史(4年=花咲徳栄)が打線の軸。エース城間竜兵(現パナソニック)の抜けた穴は、鈴木天斗(たかと)投手(4年=仙台育英)が埋める。