オリックス金子、中5日意識せず12球団トップ5勝

1回裏を終え小谷野(左)と笑顔でタッチするオリックス金子(撮影・野上伸悟)

<楽天1-4オリックス>◇2日◇Koboパーク宮城

 さすがエースだ。オリックス金子千尋投手(33)が両リーグトップとなる5勝目を挙げ、首位攻防の重要なカード初戦を取った。2試合連続完投勝利は逃したが、8回0/3で5安打1失点。開幕から無傷の5連勝を飾り、チームは首位楽天に1ゲーム差に迫った。5番のT-岡田外野手(29)は両リーグトップの8号をマークした。24試合目でこの数字、超ハイペースだ。

 ベンチの前で、金子は守護神平野を抱きしめた。9回無死一、二塁の大ピンチを残し、マウンドを平野に託した。「ノーアウト一、二塁で、あとから出て行く人は大変ですから。抑えてくれて、本当に助かりました」。完全救援で締めた必勝ストッパーへの感謝が、熱い抱擁にあふれた。

 2試合連続完投勝利こそ逃したが、カード初戦を任された責任を果たし抜いた。本拠地での開幕3連戦で3連敗を喫した楽天に、ついに一矢を報いた。首位を走るチームに1差に迫った。「よく投げてくれた。いいピッチングだったと思う。十分です」と福良監督の言葉にも万感がこもる。

 金子は「中5日はあまり関係ない。どんな形でもチームが勝てばいいです」と言うが、4月20日日本ハム戦から3週連続中5日で、すべて8回以上を投げて3戦3勝。エースをカード初戦に配置するためのチームの戦略に応え、勝ち続けるのが今季の金子だ。

 リードした伊藤は「千尋さんにはいいボールがたくさんあるので、それをいっぱい使って投げられるようにしました。曲がり球が低めに決まったのが大きかった」と言う。そんな恋女房を、金子も「きょうも光のリードがよかったです」とねぎらう。

 15、16年とチーム低迷の責任を背負い、オフの契約交渉の場で「期待に応えられず申し訳ない」と悔しい言葉を繰り返した。開幕から100%で行くと誓った今季は、自身初の開幕5連勝。「ここで終わるつもりはないし、締めるところは締めて今後もやっていきたい」。快進撃を続けるオリックスの先頭に、無敗のエースがいる。【堀まどか】