DeNA梶谷2番キング弾 監督の狙いハマった理由

巨人対DeNA 3回表DeNA1死一塁、左越えに6号2点本塁打を放つ梶谷。投手宮国(撮影・たえ見朱実)

<巨人2-5DeNA>◇4日◇東京ドーム

 DeNA梶谷隆幸外野手(28)が、無欲の心で本塁打ランク単独トップに立った。2点リードの3回に、左翼越えの6号2ランで巨人を突き放した。2連敗から脱出するため、打順を3番から2番に変更された。攻撃的2番が見事にはまり、5-2での勝利に貢献した。

 欲を捨て、力を抜いたスイングが、打球をスタンドまで運んだ。3回1死一塁で梶谷は、2球目のスライダーをとらえた。「甘いところにきたのを、いいコンタクトができた。振りすぎるとダメですからね」。追い込まれる前の早打ちが功を奏し、リーグ単独トップとなる6号2ラン。6本はいずれも3球以内に勝負したもの。「追い込まれるときついんで」と自分のリズムで打った。

 巨人に2連敗で迎えたカード3戦目。ラミレス監督が抜本的に打順変更を敢行したのは、梶谷の数字を踏まえたからだった。試合前で2割5分3厘の打率が、得点圏では1割5分を切った。「2番で自由に打たせたい」という指揮官の狙いが見事にはまった。実際に得点圏ではない第2打席で本塁打、第4打席で左翼前安打。反対に走者二塁の第3打席では空振り三振。欲を出さず投手に集中した状況こそ力を発揮している。

 Aクラス浮上を目指しながらグラウンド外では、肉体との闘いも続けている。シーズンを終えると、10キロ以上体重が落ちる体質で、毎シーズン開幕前に体重を大幅に増やす。一昨年オフはどら焼きを食べ、昨オフは高タンパク質を含むギリシャヨーグルトを毎朝食べるなど、食生活を工夫。91キロの肉体で開幕を迎えたが、すでに4キロ減って「代謝が良すぎるのも大変」と、試行錯誤を続けながら6本の本塁打を積み重ねた。

 単独トップに「マジ今だけ」と本塁打王への欲はないが「連敗を止めるために追加点を挙げられたことがうれしい」。勝利への意欲だけが梶谷を突き動かしている。【栗田成芳】