阪神梅野が連日主役の猛打賞 片岡コーチの指令体現

阪神対広島 孫悟空(右)とお立ち台で「かめはめ波」をくり出す梅野(撮影・上田博志)

<阪神8-5広島>◇5日◇甲子園

 虎のヒーローは梅ちゃんや。阪神が梅野隆太郎捕手(25)の活躍で、首位広島に逆転勝ちを飾った。一時は最大4点ビハインドの苦しい展開も、梅野が7回に逆転の適時三塁打を放つなど2試合連続猛打賞で勝利を呼び込んだ。「こどもの日」に今季最多4万6593人を集め、首位攻防第1ラウンドを制した虎。3連勝でコイに1ゲーム差と迫り、今日6日も勝てば首位浮上だ。

 抜けた瞬間、地鳴りのような歓声が湧き起こった。梅野だ。1点を追う7回1死二、三塁。広島一岡のフォークを振り切った。外野の間を真っ二つに破る左中間三塁打。2人を本塁に迎え入れる逆転打だ。

 梅野 しっかり1球目から打ちにいけたのがよかった。今の状態だと(代打を送られることも)あるだろうし、そういうのも含めて気合が入っていた。

 1つ盗塁を許したが、1回に安部を刺すなど盗塁阻止率4割を誇る守備でも存在感をみせた。前日4日は2年ぶりの長打となる本塁打など、3安打2打点でお立ち台に。この日も4回に反撃の適時打を放つなど3安打3打点。2日連続でヒーローインタビューを受けた。「将来は、子供たちに(憧れの選手と)書かれるくらい、頑張っていきたいと思います」。各選手の憧れの存在が紹介されたこの日、梅野はヒーローに元阪神で、同じ九州男児の城島健司氏を挙げていた。小4で母を亡くし、男手一つで育てられ、たくましく虎を支えるまでになった梅野も、ちびっ子たちの憧れに違いない。片岡打撃コーチの試合前ミーティングでの「子供たちの前で勝って、喜ばせよう」の指令を体現してみせた。

 苦しさにめげない。4月に28打席連続無安打を経験。3日ヤクルト戦ではスタメン落ちも味わった。不振の間、足の上げ方を変え、タイミングの取り方を変えた日もあった。試合前練習の打撃では、走者を想定して右打ちをこなした。「結果が出なくて苦しいですよ。でも大学の時とは違って今は8番打者。状況に応じた打撃から取り戻していきたい」。福岡大時代の豪快な打撃より、信頼を勝ち得ようとした姿勢が、連日の爆発の裏にある。

 今季最多観衆となる4万6593人の目の前で「逆転の広島」をうっちゃる鮮やかな逆転勝利。金本監督は「みんな、つないで、チャンスに打ってくれて、反発力を見せてくれた試合だった」と目を細めた。首位広島に1ゲーム差。今日6日も勝てば、単独首位だ。4点ビハインドから7つの適時打が飛び出て逆転。ヒーローの中のヒーローが梅野だった。【山川智之】