西武菊池憧れゴジラ級活躍 勝ってほしいときに勝利

西武対楽天 お立ち台でこいのぼりを手に笑顔を見せる西武菊池(左)と浅村(撮影・鈴木みどり)

<西武7-1楽天>◇5日◇メットライフドーム

 西武菊池雄星投手(25)が、負けられないマウンドで今季3勝目を挙げた。最速156キロの剛球と145キロに達する高速スライダーを武器に、好調楽天打線を2安打1失点と抑え込んだ。特に、4回から5回にかけては5連続奪三振。中村の先制弾につながる流れもつくってみせた。チームの連敗も3でストップ。防御率1・23でリーグトップを守るだけでなく、奪三振数も47としてリーグ1位に立った。

 試合の流れを、力で呼び込んだ。4回表1死走者なし。菊池は楽天3番ウィーラーを追い込むと、外角高めの直球で空振り三振に打ち取った。バックスクリーンの大型ビジョンには「155キロ」の表示。子どもたちで埋まったメットライフドームが、歓声に包まれた。

 「しっかり自分の球さえ投げられればと思っていた」。続く4番アマダーも152キロ直球で三振。悠然とマウンドを降りる背番号16に、拍手と畏敬のまなざしがそそぐ。主砲中村は「雄星の投球がすべて」とうなずく。今日はいける-。打線の猛攻が始まった。

 4回裏。先頭の主将浅村が中堅フェンス直撃の三塁打で出ると、4番中村が2球目を左翼席に運んだ。わずか3球で先制。その後も木村文、外崎、炭谷と打率が低迷している選手たちに、次々とヒットが出た。合計4得点。ベンチ前でウオームアップする菊池は、何度も拍手でたたえた。

 前日までのソフトバンク相手の3連敗時も、2試合で先制したが、先発投手が逆転された。この日は違う。点をもらった直後の5回表。菊池の投球は、さらにすごみを増した。銀次、今江を三振に取ると、島内には145キロ、144キロと高速スライダーを連投し、3球三振。試合は決した。

 「今日は今季のターニングポイントだと思っていた」と菊池。この2週間で2度の同一カード3連敗で、チームは借金状態に突入していた。それでも、雄星は勝ってくれる。周囲の望みはそれだった。しかし辻監督は「だからこそ怖かった。雄星でも負けたら、しばらく立ち直れないダメージを負う」と振り返る。

 そんな重圧をはねのけ、エースは勝った。この日はこどもの日。子どものころのヒーローとして、松井秀喜氏の名前を挙げた。「打ってほしい時に打ってくれた。そんなところに憧れました」。菊池も勝ってほしい時に勝った。球場を埋めた子どもたちのヒーローになった。【塩畑大輔】