阪神超人糸井、ベジータ並みの勝負強さで大暴れ

阪神対広島 7回裏阪神2死一、二塁、右前適時打を放つ糸井(撮影・上田博志)

<阪神8-5広島>◇5日◇甲子園

 「ベジータ糸井」が劇的勝利の立役者だ。糸井嘉男外野手(35)が、6回2死一、三塁で中前適時打を放って9試合連続安打を記録すると、7回2死一、二塁でも右前適時打。「ドラゴンボール超デー」と銘打たれたこどもの日の試合で、ベジータに起用された糸井は2安打2打点の活躍。スーパーベジータに憧れていたという男の勝負強さは、さすが超人クラスだ。

 火の出るような打球が一、二塁間を抜けた。7回2死一、二塁。フルカウントまで粘った糸井が広島一岡の8球目、内角直球をとらえた。「いい流れを自分で切らさないようにと思って打席に入った。インコースのボールをうまく打つことが出来た」。押せ押せムードの試合終盤。波状攻撃に乗り遅れることなく7点目を刻んだ。

 大逆転へ道筋を作ったのもこの男だった。2点差まで追い上げた6回2死一、三塁の場面。センター前にポトリと落とす適時打で、代わったばかりの一岡の出ばなをくじいた。このヒットで4月25日DeNA戦から9試合連続安打。7回の2本目のタイムリーで2安打2打点と大暴れだ。

 特別なパワーがわき出たかもしれない。「こどもの日」のこの日の一戦は「ドラゴンボール超デー」と銘打たれた。35歳糸井は「ドラゴンボール」ドンピシャの世代。少年時代には孤高の戦士ベジータに憧れた。そんな情報を球団も事前にキャッチ。糸井がベジータのスーパーサイヤ人風にデザインされたグッズが販売されたほどだ。

 連続ヒットの影にはある謎の「儀式」があった。ヒットパレードが始まった25日DeNA戦から、試合直前にバットをある特定の記者にこすりつけるという「願掛け」を続けてきた。ある日はクラブハウスから1度はベンチへと向かってから「忘れてた」とわざわざ戻ってスリスリ。この日も「ヨーシ!」と気合を入れてこすりつけた。

 グラウンドの結果は、もちろん験担ぎだけではない。6回の打席に入る直前には対戦経験が少ない一岡のデータを担当スコアラーから熱心に聞く姿があった。福留には打席での体感をアドバイスしてもらう。豊富な練習量に加えて、チーム屈指の研究家。試合後はいい場面でヒットを続けたい? の問いに「出来そうで、出来ないんやけどね。まあ、明日も頑張ります!」。「スーパーサイヤ人級」の活躍もうなずける。【桝井聡】

 ◆「ドラゴンボール超(スーパー)デー」 鳥谷、糸井、原口、高山、北條の5選手の登場キャラクターにイメージを寄せた書き下ろしが実現。鳥谷が孫悟空のスーパーサイヤ人風に、糸井がベジータのスーパーサイヤ人風のイラストになるなど大変身した。