DeNAが清宮“特A”評価、ドラフト方針も変更

4日の享栄戦、右中間場外に高校通算100号本塁打を放つ清宮(撮影・前岡正明)

 DeNAが、4日に高校通算100号本塁打を達成した早実・清宮幸太郎内野手(3年)に対し、最高ランクの評価をしていることが5日、分かった。即戦力投手を求めるドラフト基本戦略の中で、高校ラストイヤーに本塁打を量産する清宮の力量を別格視。不動の4番を務める筒香嘉智外野手(25)に引けを取らない資質に着目し、最も高い“特A”の位置に置いた。希代のスラッガーの動向を密着マークする。

 DeNAが清宮にロックオンした。高校通算100号を成し遂げたスラッガーの力量は、プロで即通用すると認めた。球団を挙げてマークを続ける中で、野球好きの誰もが注目する高校生野手を最高ランクに位置づけた。

 高校ラストイヤーに本塁打を量産する姿に、評価を揺るがないものにしていった。打力が自慢のチームにあって、ドラフト戦略の土台は即戦力の投手。昨年の浜口、一昨年の今永。4年連続で大卒・社会人の投手を指名している。明確なビジョンがある中で、基本方針を覆すほど清宮の能力を認めている。当然1年時からマークを続けているが、一足飛びで進化する技術に引かれた。逆方向に運べる柔らかさと遠くに飛ばせるパワーの両立。木のバットへの対応も十分にできると踏んでいる。

 球界の宝を育む土壌がある。DeNAには、筒香という日本を代表する強打者を一本立ちさせた実績がある。横浜高の4番をドラフト1位で指名し、徹底的に振り込みをさせ土台を築き、並行して将来を見越して1軍の舞台を踏ませて、侍ジャパンの4番に育て上げた。大局的な育成方針は、希代の素材を磨き上げる上で、この上ない環境といえる。

 清宮は、現状で高校卒業後の進路については語っておらず、夏の大会後に意向を示すとみられる。可能性としては早大への進学か、プロ入り。そして、プロ入りしながら、授業をインターネットで受講する早大の「eスクール」を利用することも考えられる。将来の夢に、メジャーリーグでの本塁打王と公言しており、米国の大学へ渡ってメジャーのドラフト指名を待つ選択肢もある。

 DeNAにしてみれば、清宮がプロ志望届を提出したとしても、数球団の競合は避けられず、確実に獲得できる保証はない。そうした事情は理解した上での高評価。動向を注視し、徹底マークを続ける。

 ◆清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日生まれ、東京都出身。小3で野球を始める。東京北砂リトルに所属した12年のリトルリーグ世界選手権で、4番エースとして5試合3本塁打を放ち優勝。調布シニアでは一塁手。早実では1年春からレギュラー。同夏に甲子園4強入りし、高校日本代表としてU18W杯出場。高校通算79本塁打で臨んだ今春選抜は、2回戦で東海大福岡に敗れ、ノーアーチだった。184センチ、101キロ。右投げ左打ち。家族は両親と弟。