岡山商大・近藤152キロに14球団スカウトうなる

力投する岡山商大・近藤(撮影・滝沢徹郎)

<全日本大学野球選手権:岡山商大4-2近大>◇5日◇1回戦◇神宮

 岡山商大(中国地区)のドラフト上位候補、近藤弘樹投手(4年=安佐北)が2失点完投で全国デビューを飾った。国内外14球団、約100人のスカウトが集結する中、広島のスピードガンで自己最速タイの152キロを計測。近大(関西学生)を4-2で下し、98年以来19年ぶりの勝利を飾った

 岡山の剛腕が、完投勝利で全国デビューした。近藤は2点リードの9回、最後の打者を149キロの直球で見逃し三振に仕留めると、雄たけびを上げた。186センチの体を折り曲げ、派手にガッツポーズ。「三振を狙うより腕をしっかり振ろうと思っていました」と人生初の全国舞台を振り返った。

 どっしりとした体格に、丸太のような太もも。右腕から投げ下ろす自己最速152キロの直球は、迫力がある。この日は3回に150キロを記録し、プロスカウトのスピードガンでは152キロを計測。「球は良くなかった。真っすぐも、変化球も」と本調子ではない中で、9回8安打2失点と近大打線を押し込んだ。

 全国区では無名の大学からドラフト候補に躍り出た。中国6大学リーグでは今季7勝。参考記録ながら7回完全試合も達成して神宮に乗り込んだ。この日はメジャー2球団を含む14球団約100人のスカウトが集結。中日中田スカウト部長は「下半身が使えたらまだまだ速くなる。上位(候補)だね」と評価した。近藤は「自分だけじゃなくチームが勝てるように頑張りたい」。巨人菅野や楽天則本も通った道。大学選手権で勝ち続けることが、何よりのアピールになる。【磯綾乃】

 ◆近藤弘樹(こんどう・ひろき)1995年(平7)6月27日生まれ、広島県出身。安佐北高では甲子園出場なし。今春の中国6大学リーグで、エースとして10戦に登板し7勝1敗、防御率1・00。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。