ヤクルト由規、藤井メシ効果ならず6回3失点投了

4回に逆転を許し苦しい表情でベンチに戻るヤクルト由規(撮影・足立雅史)

<ヤクルト3-4巨人>◇27日◇荘銀・日新スタやまがた

 東北で6年ぶりの白星は挙げられなかった。ヤクルト由規投手(27)は試合後、淡々としていた。6回3失点で勝ち負けつかず。「勝てれば良かったですけど。久々に東北で投げられた。6年間(登板が)なかったので、ピッチングできた姿を見せられたのは良かった」。11年に仙台の楽天戦で登板して以来、久しぶりの東北凱旋(がいせん)。笑顔はなく、勝てなかったことに悔しさがにじんだ。

 勝利が欲しかった。直球の走りが悪く、変化球を頼った。4回1死、制球が定まらずにマギーに4球連続ボールで四球を与えると、陽、村田に連打を浴びて失点。続く辻にも四球を与え、小林に犠飛を打たれて勝ち越された。「どこかで小さく、窮屈になっていた。スライダー、スライダーになるとここぞで真っすぐが投げられない。カウント負けした」とかわす投球になったことを悔いた。

 大胆さが必要だった。6回は3人でピシャリ。陽、村田を6球連続の直球で仕留めると、最後の辻も6球中4球が直球。最後は内角をえぐるスライダーで空振り三振に斬った。「6回はある意味開き直っていた。あれをピンチでできたら」と攻める気持ちが大事だったと振り返った。

 首脳陣の判断で中6日での登板はせず、登録抹消して7月4日からの9連戦で再び先発ローテに加わる。前日26日には将棋の藤井四段も歴代最多29連勝達成の昼食に利用した東京・渋谷区にある「みろく庵」でそばの出前を取り、ゲン担ぎ。「そば効果なかったですね」と苦笑いしたが、黒星はつかなかった。勝てなかった悔しさを胸に次回登板に挑む。【島根純】