DeNA筒香3戦連発、30日巨人戦から3番で打つ

DeNA対広島 6回裏DeNA2死、右越えソロ本塁打を放つ筒香。投手ジャクソン(撮影・江口和貴)

<DeNA11-8広島>◇28日◇横浜

 完全復調だ。DeNA筒香嘉智外野手(25)が3試合連続となる10号ソロを放ち、広島との打撃戦を制した。横浜スタジアム右翼席の最上段に届く豪快な1発で、4年連続となる2桁本塁打をクリア。昨季に日本人最多タイとなる月間16本塁打を放った7月を前にして、本来の打撃を取り戻している。アレックス・ラミレス監督(42)は、筒香の力を最大限に生かすために3番への打順変更を明言。攻撃的に上位をうかがう。

 152キロをかち上げにいった。筒香は、広島ジャクソンの重い直球と力比べをした。「ホームランを狙うというより、強く打った」。30度の角度がついた打球は、時速168キロの高速でライト最上段の立ち見客まですっ飛んでいった。「高めでしたが、素直にバットを出すことができました」。昨季まで、唯一といっていい弱点だった高めのつり球を完璧に仕留めた。「手応えは普通。フェンスを越えたらホームランなので」。言葉と裏腹の3試合連続の10号ソロで“ゾーン”に入ったことを証明した。

 お立ち台で「どんどん打ちます!」と約束した。完全復調を確信したラミレス監督は、上位を追いかけるために断を下した。27日の試合後、筒香を監督室に呼び「勝利により貢献してもらうために、3番で使う」と伝えた。筒香は「分かりました」と即答した。日本の4番を務めた男は「指揮を執るトップが、勝つための最善を選んだ」と受け止めた。

 筒香 打順が何番だろうと変わらない。4番へのこだわりも全くない。野球を知っている方が、その場しのぎではなく、先を考えて決めたこと。信じて、期待に応えたい。

 ラミレス監督は「3番筒香」の狙いを明かした。「4番だと、2死で打席が回ってくるケースが結構、多い。そうなると、なかなか勝負してもらえない。3番なら、1死で回ってくることが多い。後ろにロペスと宮崎がいれば、筒香との勝負を避けられなくなる」。リーグ2位の47四球。絶好調の筒香が歩かされるのはもったいない。右の強打者2枚を後ろに従えることで、相手が逃げられない状況を作り、打点を荒稼ぎさせるシナリオを描いた。

 昨年7月は、日本人タイ記録となる月間16本塁打を放った。筒香の成績と比例してチームは勝ちを重ね、Aクラスに届いた。絶大な信頼を置く4番を動かすという一手。「3番筒香」のお披露目は、明日30日の巨人戦。シーズン折り返しから勝負をかける。【宮下敬至】