<ヤクルト4-2巨人>◇28日◇福島
苦境のチームを救った。ヤクルト山田哲人内野手(24)が4年連続の2桁本塁打となる10号ソロを放ち、連敗を3で止めた。2試合連続の1発はワンバウンドして場外に飛び出る、豪快な一撃。20年東京五輪の野球・ソフトボールの会場となる福島あづま球場で最高の予行演習となった。6回には4番雄平外野手(33)が右手首を痛めて途中交代。負傷者が続出する中、勝利への重責を担う。
自画自賛の打球は5秒間の滞空時間を経て“場外”へと消えた。1回2死走者なし。山田の体には練習での感触が残っていた。「杉さん(杉村打撃チーフコーチ)のボールみたい。練習通りに打てた。久しぶりに完璧なホームラン」。巨人大竹寛の106キロの緩いカーブを呼び込んで、とらえた。
左足を踏み込んでからグッと1拍置き、ねじ切れんばかりにスイング。「すごく良い状態とそっくり真っすぐを待ちながら変化球を止まって打てた」と、左翼スタンド最上段に突き刺したボールはワンバウンドして球場外へと消えた。
4時間後の未来を見ていた。午後2時半。球場に現れると、杉村コーチが打撃投手を務めて遅い球を打ち込んだ。焦らず、呼び込み、体全体で打ち返す。力のないボールをスタンドに入れるため、振り切る強さを体に染みこませた。約2週間前から始めた「ショートゲーム」と呼ぶ練習。規定打席到達者で打率最下位と苦しむが「1打席目がほとんどアウトになっていて準備不足かと思っていたけど、今日は違った」と継続する力が、第1打席の本塁打につながった。
3年後の未来を見る。試合を行った福島あづま球場は20年東京五輪の試合会場となることが決定。試合前練習で汗を流し、「東京五輪には出たい。今はまだ世界と対戦したいとかまでの気持ちはないけど、オリンピックには出たい」と日の丸を背負って戦う姿を想像した。
苦境を救う。6回に4番打者の雄平が負傷交代。川端やバレンティンを欠く中、山田への負担は増す。内角への配球も多く、四死球はリーグ最多の53。それでも4年連続の2桁本塁打と結果を残した。「4年連続はうれしい。でも、勘違いせずにやっていきます」と気を引き締めた。期待、重圧、日の丸。大きな物を背負いながら、勝利に導く一打を打つ。【島根純】