<イースタン・リーグ:日本ハム5-2西武>◇1日◇鎌ケ谷
左太もも裏肉離れなどで登板のなかった日本ハム大谷翔平投手(22)が1日、イースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)で今季初マウンドに上がった。西武山川にバックスクリーンへの1発を浴びたが、最速157キロの直球を中心に、1回を1安打1失点で終えた。悪天候にもかかわらず、スタンドには2415人の観衆が集まり、メジャー関係者もレンジャーズなど5球団が足を運んだ。テレビカメラ20台、報道陣約100人も見守る異例の2軍戦で、二刀流としての再スタートを切った。
悔しかった8カ月分の鬱憤(うっぷん)を、1球に込めた。昨年の日本シリーズ以来、今季初登板の大谷は初球、この日最速の157キロ直球を外角低めに投げ込んだ。西武鈴木のバットはかすることもなく、きれいなラインでミットに吸い込まれた。「指にかかったボールはよかった。思い描いた軌道でいっていた」。朝から降り続く雨でマウンドの土が軟らかかったこともあり、「今日の段階ではスピードどうこうじゃない」。2球目以降は球速を意図して抑えたが、日本最速右腕は順調な第1歩を踏み出した。
前売り券は完売。スタンドには2415人の観衆が詰めかけ、レンジャーズ、マリナーズ、レイズなどメジャー5球団の関係者の姿もあった。大きな歓声を浴びながら、鈴木、呉を2者連続三振。山川には真ん中低めの151キロ直球をバックスクリーンに運ばれたが、「抑えた、打たれたと結果がついてくるということは練習ではないこと。良かった、悪かったという反応を次にクリアしていくのは楽しい」。故障中は見せなかった、充実した表情だった。
今日2日には再び1軍に合流。スタメン復帰こそまだだが、打者としては戦力になりつつある。一方の投手としては慎重な姿勢だ。この日も、5球投じた変化球は4球がボール(うち1つは死球)。「ボールが(雨で)滑ったのもあるけど、それに対応できなかった。実戦不足」と認め、「早く取り戻せるように」と見据えた。
今後も打者出場を続けながら、遅れている投手としての準備を進める二刀流調整となる。ZOZOマリンで報告を受けた栗山監督は「明日(2日)の体の状態を見て。次回もいろんなパターンを考えている」と、最善の復帰プランを模索している。大谷は、1軍登板について「1歩前進したので目指すべきものではあるけど、今の段階ではまだ早いと思う。ここからは打者に対する感覚を確認できれば」と冷静だった。ボールは変わらず一級品であることは証明された。あとは投手としての実戦勘を磨き、ひのき舞台に戻る。【本間翼】