<阪神3-1ヤクルト>◇1日◇甲子園
思わぬ救世主の出現に、阪神金本知憲監督(49)も興奮した。大山の打球が上がった瞬間、声を張り上げた。スタンドへの着弾を見届けると、右手でベンチの柵をバシッとたたいた。「(テレビに)映ってました? 恥ずかしいですね(笑い)。レフトの頭は越えたと思ったが、あとは何とか入ってくれと。いきなり3点ですから。興奮した」。昨年ドラフトで2年連続の野手1位指名を敢行。指揮官の強い意向があった。広島に負けない攻撃陣を作るためだ。その秘蔵っ子が連敗中の窮地を救ってくれた。
開幕目前の3月16日に2軍行きを命じた。ここから英才教育がスタート。実戦重視の方針ではなく、試合と体力強化を並行させた。振る力が備われば、結果を残す。指揮官はそう考えた。3カ月ぶりの合流で、成長を認めた。「キャンプからすると、体も大きくなって、振る力もね。彼は強く振ったほうが形がしっかりする。面白いタイプだなと思ってみていた。軽く打つと逆に軸がなくなってしまう。僕としては初めて見るタイプ」。中谷や原口、北條が思うような結果を残せていない中、大山が力強いスイングと打球で新風を吹かせた。
プロ初スタメンの2日後に、5番で起用。思い切った采配が当たった。8連敗で止め、リーグ戦再開後の初白星になった。「ホッとしています。まずオールスター休みまで、いい時のチーム状態に戻す。個人も調子を上げてほしい」。8連敗しても、まだ2位だ。貯金は「5」。反撃の7月に弾みがついた。