楽天則本9勝!雨中の5回完投3K締め「ラッキー」

ロッテ対楽天 5回裏、3者三振にグラブをたたく楽天の先発則本(撮影・たえ見朱実)

<ロッテ1-5楽天>◇4日◇ZOZOマリン

 頭を張る男が、エースとしての役割を果たした。楽天則本昂大投手(26)が、完投で両リーグトップの9勝目を挙げた。台風3号の影響のため6回表終了降雨コールドとなった試合で、5回を2安打1失点に抑えた。前回登板の6月26日オリックス戦(Koboパーク宮城)に続く3連戦初戦の試合を託され、負ければ首位陥落の可能性もある、チームのピンチを見事に救った。

 スタンドには、かっぱ姿や傘を差すファンの姿があった。則本は、マウンド後方の金具を何度も手に取った。スパイクの裏には、すぐに土が挟まった。ZOZOマリン特有の海風に乗り、顔にも雨粒が襲いかかる。入念に足場を整え、4点リードの5回のマウンドに上がった。「マウンドはぬかるんでいた。でも、そこは相手も同じ条件なので。関係ない」。先頭中村には9球粘られたが、10球目、内角を襲うフォークで空振り三振。田村には、154キロ直球で外角ギリギリを突いた。サントスには、146キロ直球を外角低めに収めた。もはや“恒例”の3者連続三振だった。

 台風3号の影響で、試合開始直後から雨が降り出した。1点リードの初回こそ、34球を要すなど制球が乱れた。2個の四球が絡み、同点打を許した。満塁のピンチも背負ったが、2回以降は別人と化した。「真ん中でいいから振らしていこう」と決め、2回から5回まで4イニング連続の3者凡退。1人の走者も許さなかった。6回表終了後に、中断、コールドとなった試合でハーラートップの9勝目をつかんだ。「1回に満塁で1点に抑えられたから今日の勝ちがある」と完全にリセットした。

 交流戦中に感じた違和感を修正してきた。9戦連続2桁奪三振の世界新記録をかけた6月15日ヤクルト戦は、7回7安打6失点と乱れた。三振も8個で、記録は途絶えた。「あの時くらいから自分の中でフォームがしっくり来ていなかった」と、ブルペンで調整してきた。1球を投げ終わるごとに、軸足、リリース、体のブレなどを確認。約60球の投球練習で1時間を超す日もあった。約3週間の時を経て前日3日には「だいぶまとまってきたと思う」と、感覚が戻ってきた。

 負ければ、2位後退だった。チームは連敗していた。則本も6月8日DeNA戦から勝ち星が遠ざかっていた。前回登板に続く今季2度目のカード頭で、チームと自身に勢いを取り戻した。次戦はオールスター前、最後の登板となる11日ソフトバンク戦。「今日は雨もあって、ラッキーな形での勝利。次回以降、しっかりとゲームメーク出来るようにしたい」。夜空とは反対に、表情は晴れやかだった。【栗田尚樹】