楽天三好、茂木代役が決勝V打 天も味方し首位死守

ロッテ対楽天 4回表楽天2死満塁、ペゲーロの2点適時打で生還した三好(左)と嶋(撮影・たえ見朱実)

<ロッテ1-5楽天>◇4日◇ZOZOマリン

 楽天は伏兵の活躍で首位をキープした。ロッテ戦の同点の4回、2死満塁からプロ6年目の三好匠内野手(24)が、右前へ決勝適時打を放った。故障で離脱する茂木の代役が、きっちり仕事した。試合は台風3号の影響で6回表終了降雨コールド。負ければ首位陥落の危機だったが、天も味方して開幕からの定位置を死守した。

 九州男児の血が騒いだ。「絶対に決めるばい」。福岡生まれの三好は心の中でつぶやいた。1-1で迎えた4回2死満塁で、打席が回ってきた。二塁走者には、幼少期から憧れの松井稼が代走で入った。ベンチもここで、試合を決めると踏んだ。三好は「ここで、やらないと男じゃない」。自然と眉間にしわが寄った。カウント1-2からの4球目、外角低め146キロ直球を逆らわずに流し、試合を決める打球を右前へ飛ばした。

 最初は“仕掛け”が甘かった。第1打席はフォークを打ち損じ、一邪飛に終わっていた。「変化球は頭に入れて、来た球に対応しようと思っていました。結果が出て良かったです」と冷静な読みがあった。鬼の形相だった表情も、一塁上で満面の笑みと変わった。同学年でレギュラーの茂木が右肘の骨挫傷で2軍調整中で、代役として6月18日の阪神戦(甲子園)から遊撃のスタメンを張る。「茂木の代わりを務めることは大変。チームバッティングを意識しています」と武骨に仕事を果たした。

 趣味から勝負勘を養った。生まれは、海に面す北九州市。幼少期から海釣りにはまった。魚をさばく特技も併せ持つ。今は先輩の銀次の影響もあり、舞台を川に移し、ブラックバス釣りで気分転換。「僕はまだまだ。15センチくらいが最高なんで」と大物を釣り上げる日を夢見ているが、魚との駆け引きで、勝負する感性も磨く。

 三好の一打を皮切りに、島内、ペゲーロと3者連続適時打が飛び出した。エース則本も5回1失点の好投で、チームの連敗を2で止めた。2位ソフトバンクが勝ったために、負ければ開幕から守り続ける首位の座を明け渡す危機だった。台風3号の影響で、6回表終了後に中断、コールドとなった試合。三好が窮地を救う活躍を“匠(たくみ)”にやってのけた。【栗田尚樹】

 ◆三好匠(みよし・たくみ)1993年(平5)6月7日生まれ。福岡県出身。九州国際大付では3度甲子園出場。3年春はエースとして全5試合完投で準優勝。11年ドラフト3位で楽天入団。プロ入り後は内野手へ転向。13年7月14日西武戦でプロ初出場。15年オフに背番号を2から57へ変更。16年は自身最多の38試合に出場し、同年オフにはU23W杯で優勝を経験した。174センチ、75キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸700万円。