西武秋山が首位打者再浮上 打撃不振も振り込み復調

6回表西武1死二、三塁、2点適時打を放つ秋山(撮影・黒川智章)

<日本ハム6-7西武>◇6日◇札幌ドーム

 首位打者に返り咲いた。西武秋山翔吾外野手(29)が4打数3安打4打点の固め打ちで、打率を3割2分2厘に伸ばした。2戦連続&今季11度目の猛打賞で、3戦連続2ケタ安打の打線をけん引。チームを今季5度目の同一カード3連勝に導いた。6月下旬からの不振を脱し、ヒットマンが再び波に乗ってきた。

 秋山は感謝の言葉を繰り返した。1点を追う3回1死一、二塁。フルカウントからチェンジアップを振り切った。右翼フェンス直撃の2点二塁打。「ベンチワークに助けてもらった。(ランエンドヒットで走者が)走っていたので併殺はない。いい引っかかりが出たと思う」とうなずいた。

 6回1死二、三塁での2点適時打は、金子侑が二盗を決めた直後。詰まりながらも前進守備の内野を越した一打に「金子が走って(相手の)前進をつくってくれたから、ああいうヒットが出た。中途半端にいかず、詰まっても内野の後ろまで持っていく、と思っていた」。スライダーを迷いなく振り抜けたから、打球は中前に弾んだ。

 黙々と振って、打開した。6月30日オリックス戦から4試合無安打。試合後の室内練習場に1時間以上、バットを振り込む秋山の姿があった。かねて言う。「自分には練習の裏付けが必要なので」。最多安打記録を保持していても、それは今の自信にはならない。必死に汗を流し、4日日本ハム戦から2戦連続の猛打賞につなげた。

 打率3割2分2厘で首位打者に再浮上したが、表情は全く緩まない。「もちろん(数字は)気にはなります。でも一喜一憂しない。どうしても落ちる方が気になって、自分には前向きな要素にはならないんです」。216安打を放った15年。最多安打記録に進む1本1本を、カウントダウンではなく、カウントアップと表現した。「打率に目を向けすぎない。次の1本をしっかり打つ。いい場面でつなぐ。1打席ごとに集中する」という覚悟は、今季も変わることはない。

 安打数もリーグトップの93に伸ばしたが、辻監督は「まだ本人も納得していないと思う」と評した。まだシーズン中盤。秋山の目指す高みは先にある。その道程が、チームの勝利につながっていく。【佐竹実】