中日の88年生まれトリオがお立ち台に上がると、2万3354人と少し空席が目立ったスタンドが大歓声に沸いた。

 3勝目の大野、先制打の亀沢に今季1号の福田の3人。福田が「大野のときはいつも絶対に打ちたいと思っている」と言えば、二塁を守る亀沢も「大野が今までにないくらい大きな背中を見せてくれた」と持ち上げた。

 前カードのヤクルト戦は初戦と3戦目に観衆2万人割れ。実数発表が始まった05年以降、2万以下は代替試合の1度だけ。異常事態ともいえた。目下、主催9連勝中で、うちナゴヤドームで8連勝。勝ってもなかなか観客動員に結びつかない現実がある。ムードメーカー亀沢は「CSに行けば入るでしょう。目標は3位じゃなくて2位以上」と強気に言った。

 ソフトバンクから移籍して3年目で、変わりゆく雰囲気も感じている。得点後のカメラ前のパフォーマンスは亀沢が各選手を誘導して行っているが、亀沢によるとシャイな福田は仲がいいにもかかわらず、パフォーマンスに付き合ってくれない。同じく同学年の堂上も「やらない人」だったという。

 それが、この日1号ソロを放った福田はカメラに向かって笑顔でピースサイン。「絶対初めてだと思いますよ。この前は直倫(堂上)もやってくれた。やっと恥ずかしさがなくなってきたのかな。雰囲気がよくなっている」とうれしそうだった。七夕のこの日、願いごとを聞かれると「1球1球、精いっぱい頑張る」と答えた。チームの勢いや明るいムードに、より多くのファンが呼応してくれることを願っている。【柏原誠】