広島ジョンソン最短KO「何が起こったのか…」

3回途中、6失点で降板となり汗を拭うジョンソン(撮影・梅根麻紀)

<広島5-8中日>◇21日◇マツダスタジアム

 まさかの投球だった。広島先発のクリス・ジョンソン投手(32)が来日最短となる2回1/3での降板。投手バルデスに3点二塁打を浴びるなど6失点でマウンドを去った。緒方孝市監督(48)から後半戦のキーマンに挙げられた男が背信投球。次は必ず、やり返してくれるはずだ。

 ベンチ裏の通路で立ち止まったジョンソンは、自分から話を切り出した。試合をぶち壊した責任を背負い込み「初回はよかったが、2回からは何が起こったのか分からない。最悪の投球をしてしまった」と言った。後半戦本拠地初戦。向けられた期待を裏切る投球となった。来日最短となる2回1/3での降板だけが、事実として残った。

 急変だった。1回は抜群の立ち上がり。1番京田を空振り三振に打ち取るスタートを切った。2番谷にはポトリと落ちる不運な右前打を浴びたが、3番大島を二ゴロ併殺。148キロの直球で押し込んだ。味方打線が1回に先制し、ここから、という2回に乱れた。3四死球を与えるなどして2死満塁とされ、投手のバルデスに左中間を破られる走者一掃の二塁打を浴びてしまった。

 3回には先頭谷の遊撃へのゴロを田中が失策する不運もあったが、その後ビシエドに3ランを被弾し3失点。菊池の声掛けもむなしく、6番松井佑に四球を許したところでマウンドを去った。来日62試合目で最短の降板。「反省して次までに修正したい。ブルペンでチェックして、次の登板に備える。それしかない」と絞り出すのが精いっぱいだった。

 指揮官もがっかりだった。咽頭炎などの体調不良から復帰して徐々に本来の調子を取り戻していたジョンソン。球宴ブレーク中に、緒方監督は「実績のあるジョンソン、野村が試合を作って、チームを引っ張ってほしい」と名指しで期待を寄せていた。試合後、緒方監督は「名指しで期待しているわけだけど、今日の内容と結果は残念。また次、しっかりした姿を、今日の分を取り返して投げてくれると期待しています」。連覇にエースの完全復活は必要不可欠。意地を見せるしかない。【池本泰尚】