楽天サヨナラ祭り呼んだ岡島の3号同点弾

8回裏楽天無死、左越え本塁打を放ちウィーラーらナインに迎えられる岡島(左)(撮影・野上伸悟)

<楽天4-3オリックス>◇21日◇Koboパーク宮城

 楽天岡島豪郎外野手(27)の1発がチームに勢いを与えた。1点ビハインドで迎えた8回、オリックス金子の速球を左翼席に運ぶ3号ソロで同点に追いついた。波に乗った楽天は、延長10回、2死二塁の好機で、島内宏明外野手(27)が右前へ適時打を放ち、今季2度目のサヨナラ勝ち。これで貯金を再び28とした。連戦が続く夏も、走り抜いてみせる。

 オリックス金子の速球を捉えた打球が、左翼上空に舞い上がる。「いいところまで飛んでいくとは思ったけど」と、岡島がダイヤモンドを走りながら追っていたボールは、テラス席「Eウイング」最前列に飛び込んだ。「あとで映像を確認したら、結構ギリギリでしたね。入ってくれて良かった」と胸をなで下ろした。

 試合展開、ベンチの雰囲気に自分の気持ちを乗せた。2打席目までは、両サイドを丁寧に突く金子の投球に「正直、打てる球ねぇなぁ」と翻弄(ほんろう)されていた。その負の感情が消え去ったのが7回だ。ウィーラーの適時打で1点差に詰め寄ると、ベンチの熱気はより一層高まる。「雰囲気がすごく良かった。みんな『いけるんじゃないか』と思っていたから、自分もそういう気持ちになった」。前向きな姿勢が、8回の第3打席で価値ある1発を生み出した。

 今週から7週連続で6連戦が待っている。岡島にとっても、夏は乗り越えなければならない試練だ。7月の打率は現時点で2割2分2厘。昨季も序盤は好調だったが、7月の打率は1割3分6厘と不振に陥った。「どうしてもしんどくなってしまう。疲労を極力ためず、調子を維持できるかを考えるようになった」。少しでも筋肉に張りが出たらトレーナーにマッサージを受けに行くなど、自分の体との対話を大事にする。

 岡島の1発で息を吹き返した打線は、延長10回、島内の適時打で今季2度目のサヨナラ勝ちを決めた。劇的な勝利に、梨田監督は「昨日(20日の日本ハム戦)は敵地でサヨナラ負けだったが、今日は本拠地でサヨナラ。移動ゲームで選手も疲れている中、よくやってくれた」とチームをねぎらった。2位ソフトバンクとのゲーム差は0・5。相手が常に背後から追ってこようとも勝ち続け、突き放す。【田口元義】