巨人阿部マジック13!?今度は400本塁打だ

ヤクルト対巨人 6回表巨人1死、本塁打を放つ阿部(撮影・中島郁夫)

<ヤクルト2-8巨人>◇16日◇神宮

 2000安打の次は400号だ! 巨人阿部慎之助内野手(38)が6回、通算2001安打目を14号ソロで決めた。2000安打達成後、初めての試合で快音を響かせ、7回には2002安打目の左前適時打も放った。チームはこの1発に加え、陽岱鋼外野手(30)の通算1000安打、坂本勇の13号ソロなどで9安打8得点の快勝。役者のそろい踏みで連敗を2で止めた。

 最高の御礼弾が、雨の東京の夜空を舞った。6回1死走者なし。巨人の生え抜き5人目の2000安打を達成した阿部が、左打席に入った。5球目、高めに浮いた142キロ直球を軽やかにかち上げる。カーンと響く打球音。高々と、通算387号を右中間席に放り込んだ。「インコースよりのボール。体を回転させて、うまく打つことができた」と自画自賛した。

 広島で偉業を達成して東京へ戻ってきた。舞台は神宮。本拠地の東京ドームではない。それでも打席のたびに大歓声が起こり、試合前にはヤクルトのマスコットつば九郎からも祝福を受けた。「もしかしたら、2000本達成の瞬間のために今カードのチケットを買ってくれた人もいると思う。その人たちのためにも2001本目を見せたい」。前日15日は降雨中止。準凱旋(がいせん)試合は、何が何でも結果で喜ばせたかった。7回にも7点目の左前適時打と勝利に貢献した。

 主役の1発だけでなく、メモリアルヒットもあった。3回1死二塁、陽岱鋼が左翼線へ強烈なライナーをはじき返した。二塁走者の小林が本塁へ生還。自身は二塁を狙いアウトになったが、288人目の1000安打を適時打で飾った。「阿部さんの2000安打を見ているので、僕はまだまだ。野手にとって2000は大きな目標。そこを目指したいです」と奮い立った。

 阿部は2000安打に続き、通算400号にも残り13本に迫る。だが今はチームの浮上だけを見据える。3位DeNAを18日から本拠地で迎え撃つ。「まだ(Aクラスの)チャンスが残っているから」と強烈に意識。高橋監督も「そこ(2000安打)がゴールだなんて本人が一番思っていないよ」と強調した。記録的一打の後も、主砲としての仕事にだけまい進する。【松本岳志】